2026年06月24日
なぜ日本は「無謀な戦争」ができたのか
なぜ日本は「無謀な戦争」ができたのか?と言っても、以前取り上げた『昭和16年の敗戦』(猪瀬直樹)のように、「日本必敗」の結論が合理的シミュレーションによって出ていたにも拘らずなぜ戦争に突き進んだという話ではない。
まえがき:国力水増しの舞台裏国力を大きく上回る規模の長期総力戦が、なぜ可能だったのか。答えの一つは、金融による「国力の水増し」にほかならない。
圧倒的な国力の差にも拘わらず、1年間にわたって米軍と対等に戦い占領地を拡大し、その後劣勢になっても、3年間戦い続けた。多大な人的犠牲を払ったとはいえ、それだけで現代戦が戦えるわけではない。
「現代の信用的条件はすばらしい発展を示した。それ故各国政府は、ナポレオン戦争当時にあって消費能力の最大限度と見なされていた戦費を数倍に増額し消費することができるようになった」(ポール・アインチヒ『経済戦』)
兵器も燃料も、兵員が食べる食料も山のように必要な現代戦。それを可能にしたのは、銀行の信用創造力であった。普通なら、GDPを超えるような軍事費を使えるわけがないが、戦時中の日本はGDP200%を上回る赤字国債を発行し、それを日銀が引き受けた。
まえがき:銀行員たちは勝利を信じて軍を支え、敵に追われながら軍の金庫番も勤め上げた。そして終戦を迎えると、戦争で途方もなく膨らんだ有形・無形の負債の清算を余儀なくされる。彼らは敗北が明らかになっても、「信用維持」という銀行業に携わる者としての矜持を手放さなかった。

