2026年07月03日
サプライチェーン・チョークポイント
著者の説く「ガーゼのカーテン」。もちろん、チャーチルが東西冷戦の幕開けを表した「鉄のカーテン」になぞらえて。その時は、東西間の貿易はほとんどなく、「バルト海のシュテッティンからアドリア海のトリエステまで」鉄のカーテンが降ろされてもたちまちに経済的に困ることはなかった。
80:第4章ポイント
・西側諸国と中国が対立と経済的な結びつきを同時に有している状況で、対立を戦争に至らせないためのあり得る解は、技術を中心とした選択的デカップリングと開かれた多国間FTAを組み合わせた「ガーゼのカーテン」
・技術デカップリングに関する経済安全保障の要諦は、サプライチェーンチョークポイントを他国に押さえられれないようにする戦略的自立性の確保と、逆に日本がサプライチェーンチョークポイントを押さえに行く戦略的不可欠性の確保
・経済安全保障上の重要技術であるサプライチェーンチョークポイントを押さえるためには、そもそも当該技術を定義し、重要性を判定する必要がある。これは、日本だけが有している模倣困難な技術を用いた製品・サービスが、他国で医療、インフラや防衛に用いられ得る、あるいは経済発展のキードライバーになり得るなどの重要な地位につけるかどうかを判定することである。そのためには、科学技術、経営、経済、安全保障の知見を横断・融合する必要がある。

