2025年10月18日
難読地名の謎
『日本の地名』(2011)の増補、改題版。確かに、こちらの書名の方が具体的ではるかに売れそう。
これはもったいないはじめに:明治初めの国の調査では、全国からざっと1千万ほどの地名が収集・記録されていたが、あまりにも膨大すぎて研究上、十分活用されないうちに関東大震災で失われてしまった。その後、大規模な調査は行われておらず、年月の経過と生活様式の激変で、忘却されたり消滅したりした地名も多い。
多くの歴史と記憶を残す地名が失われた。地名は一般に、できてから長いあいだ口と耳で伝えられていた。これに文字を充てるようになるのは、ずっとのちのことなので、漢字の意味に頼り過ぎると誤りを生じやすい。
例えば、鎌倉「由比ヶ浜」の「由比」はもともと「結」は、共同作業を指していた。「結」(あるいは手結)が残る地名は砂浜に多く、これは地曳網漁が盛んだったことを伝えている。
61:「日本の地名には意味不明のものが多すぎる」文字の改変も重要な原因。好字への変更。
宍道湖に浮かぶ「嫁ヶ島」。8世紀の『出雲国風土記』では「蚊島」だったらしい。これは、蚊ほどの「小さな島」というほどの意味だったが、「蚊」が嫌われて、同じ音の「嫁」島に、それが転じて「嫁ヶ島」になったという。こうなっては、本来の意味が全く失われている。
