2025年10月13日

藪の中

YABUNONAKAーヤブノナカー (文春e-book)
金原 ひとみ
文藝春秋
2025-04-10



元祖『藪の中』は芥川龍之介の短編小説。初出は1922年というから、今から100年余り前(「新潮」)。こちらも当然、群像劇。これは、映画化されるだろう。

9:木戸悠介
大抵の人間が、自分の一世一代の実体験を活かして小説を書けばそれなりに面白いものが出来上がるものだし、それなりの文章力と語彙と構成力とポエジーがあれば新人賞デビューもできる。しかし書き続けられるかどうかは、己を生涯小説へと駆り立て続けるテーマがその人自身にあるかどうか、で決まるのだ。

41:長岡友梨奈
木戸はつまらない男だ。でも他になんの趣味もない文学かぶれがとうとう文学にすら何も求められれなくなった成れの果てのような彼を見ていると、感情移入しないではいられない。小説に関わる人々は皆、小説の力と、小説の無力さについて日々考え、打ちのめされ続けているからだ。

73:五松武夫
(マチアプ廃人)自分は雄専用ベルトコンベアに乗って、あ、こっちは嫌だな、こっちに行きたいな、と片手で頬杖をついて寝そべったままリモコン操作をして、選択制あみだくじの先で「これでどうよ」的な雌をあてがわれ、数回のデートで終わったり、何回かセックスをして付き合ったり別れたりして、そうしてまたベルトコンベアに乗って送り出されていく。

87:現代では仕事相手を恋愛相手として品定めしたり口説いたりするような野蛮な行為に及ぼうものなら、セクハラと切り捨てられ社会的死を迎える可能性だってあるのだ。

183:安住伽那
互いにその場限りの関係だけで人生を構成したい。だからこそ、私はインターネットの世界に没入しているのかもしれない。(中略)色んなソーシャルメディアを股に掛けて生きているけど、どの世界もこの世界より居心地が良い。




shikoku88 at 18:29│Comments(0) | その他

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