2025年11月28日
「グランド・ツアー」
「グランド・ツアー」とは、17〜19世紀にかけて、イギリスの上流階級の子弟が、教養を深めるために欧州大陸を数年かけて旅した大規模な旅行のこと。欧州大陸内でも、欧州北部の国々から、欧州文明の源流であるイタリアを見に行くのが定番であった。ヴェネチア訪問は彼ら欧州貴族にとって、必須であったのである。
98:18世紀の観光客の目的はヴェネツィア自体
18世紀の観光は、社会的にも経済的にも、そして知的にも、エリート階級に属する人々のものに変わったのである。宗教色を欠いていたことが、もともと合理的に考え見るのを好む知的エリートたちから、宗教上の聖地を巡礼する旅行ならば持ったにちがいない抵抗感を、一掃するのに役立ったにちがいない。
105:ヴェネツィア高級ホテルの分布は、1797年の共和国崩壊後20年後くらいから一変
1815ヴェネツィアを訪れたスタンダールは、「イギリス女王館」に宿泊。その頃から大運河沿いの貴族の家が売りに出されるのが目立ちはじめ、1822年の「ダニエリ」創業を機に、貴族の屋敷を改造したホテルが、何世紀も続いたそれ以前の高級ホテルにとって代わる。
102:国営バス「ブルキエッロ」
別荘に通う貴族たちも、ブルキエッロを愛用。
今日では完全に観光用。
108:ゴンドラは黒一色で、誰でも同じものしか所有できない決まり
地位の上下を問わず、経済力のあるなしにかかわらず、人はみなゴンドラに乗るか、でなければ歩くしかない。
120:共和国元首御用船「ブチントーロ」
18世紀末に、ヴェネツィアを崩壊させたナポレオンの命によって、焼かれてしまう。
それ以前にヴェネツィアを訪れた人は、「センサ」の祭りでそれを見られなかった者でも、国営造船所のドックで見ることができた。

