2025年10月16日

21世紀の経済指針

競争なきアメリカ――自由市場を再起動する経済学
トマ・フィリポン
みすず書房
2025-04-02



西側諸国の我々は、自由市場を当然のものとして受け止めているが、歴史上、それは例外だ。

341:わずか20年前のアメリカは事実上、自由市場の国であり、規制緩和と反トラスト政策のリーダーだった。

それは、自由市場の恩恵を被るのは一般大衆で「勝者が分散」しているが、国際競争力のない産業は淘汰される。存続の危機に立たされた産業は、関税の導入や補助金を求めて政治力を使う。

342:EUの消費者がアメリカの消費者よりも良い暮らしを享受しているのは、アメリカが自ら捨てたプレーブックをEUが採用したから。

かつて、自由競争が徹底され、何でも安かったアメリカは産業保護と寡占化が進み、競争が著しく制限され、物価は上がった。今や、VAT(付加価値税)が20%前後あるEUの方が物価水準が低いほどだ。
348:21世紀の経済指針
�,い弔任發匹海任蘯�由参入
効率的市場では、限界企業は倒産寸前となる(=自由参入の定義)。倒産≠解散
�∪�府も間違うべし
特に経済政策の問題では、完璧は善の敵。ディーゼルゲートがアメリカで見つかったのは偶然ではない。
�F�明性、プライバシー、データ所有権を保護せよ
プライバシーとデータ保護の問題を解決するためには、ほとんどアメリカしか持ち合わせていないレベルの専門性が必要。アメリカは他よりも大きな力と責任を持っている。
一方、日本はどうなのかと言えば、雇用維持が最優先で、競争力のなくなった産業・企業に不況のたびに補助金を出してきた。その結果、多くの産業で企業数は今も多く業界内の競争は維持されている。そのため、長らくデフレ基調であったが、競争力のない産業に補助金を継続的に出すことで国力が落ちたため円安に。

現在の状態はどうしても輸入しなければならない石油・天然ガスなどのエネルギー源に加えて、食料の値上がりによるコストプッシュインフレ。さらに、ソフトウェアサービスの赤字も継続拡大中だ(いわゆる「デジタル小作人」)。



shikoku88 at 19:05│Comments(0)│本 | 経済

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