2025年10月14日

「何でも高い」アメリカ

競争なきアメリカ――自由市場を再起動する経済学
トマ・フィリポン
みすず書房
2025-04-02



5年前、菅首相が音頭を取って「官製値下」された日本の携帯電話料金。あおりを食ったのは2019年に参入したばかりの楽天モバイルで、「大手キャリアの半額」を武器にシェアを取ろうとしていたのが、大手各社も半額プランを導入したため、価格差がほとんどなくなってしまった。その後、楽天グループの総力を上げた営業でようやく黒字になったのが今年だ。

最近の各国主要5G事業者料金比較が下図で、日本の料金は世界でも最も低い部類なのが分かる。韓国は値段は高いものの、ダウンロード速度が速い。その中で「速度が遅いのに料金が高い」、つまり消費者にとって最悪なのがアメリカ。

こうした物価の高さは、携帯電話料金に限らず、アメリカ経済の特徴で、それは政治のせいだというのが本書の主張。著者はフランス出身でNYUスターン経営大学院の経済学教授。
6:反転
私が1999年にボストンに着いたとき、アメリカは(中略)中流階級の消費者にとって素晴らしい場所だった。しかし、その後20年で、全く予期していなかったことが起きた。私が述べた事例がすべてひっくり返ったのだ。
1990年代前半にアメリカで暮らした私も、当時「何でも安い」と感じたものだ。当時の円高もあって、大体半額の感覚。覚えているのは、ガソリン価格が約$1であったこと。リットルではなくガロン(3.78ℓ)。$1=100円位だったから、1リットル26円位だった。

現在の価格は170円/ℓ位で、日本と変わらない。石油自給率100%で、移動のほとんどを車に頼らざるを得ない国と、日本のように公共交通機関が発達している国のガソリン価格が同じというのは驚きだ。欧州各国のガソリン価格は300円/Lを超える。

はじめに:「自由市場」がいちばんうまく機能する市場が恣意的な政治介入にさらされることなく、また、既存事業者が競争力のある新規参入者から意図的に守られることがないとき、市場は自由。

その後25年間アメリカで一貫して進んできたインフレ。その背景にあったのは、アメリカがかつてはよく機能していた「自由市場」の機能を政治的に奪ったことだ。
11:本書の主張
�.▲瓮螢�経済のほとんどの分野で競争が減っている
価格、資本利益率、市場シェア。
��競争の欠如は政策の選択によって説明できる
ロビー活動や選挙資金の寄付に影響される政策。
�6チ茲侶臟,蓮�賃金の減少、投資の減少、生産性の低下、成長の低下、そして格差の拡大をもたらす



Christian_Molsted_-_Slaget_pa_Rheden
shikoku88 at 18:40│Comments(0)│本 | 経済

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