2025年09月30日
情報伝達速度
産業革命以前の世界では、「情報伝達は人類の歩行速度よりも遅かった」らしい。その時代、ほとんどの人間が生まれた地域で一生を過ごしていたのだから、当然と言えば当然か。
産業革命以前にも拘わらず、当時としては異常に速かったのが、日本でのコメ相場の情報伝達。「旗振り」という技術革新が起こった背景は、相場で儲けたい投機家の欲望だ。338:グレゴリー・クラーク『10万年の世界経済史』期間 行程 伝達回数 距離(km) 平均所要日数 平均伝達速度54~222年 イタリア~エジプト 23 2129 56 1.58km/h1500 ダマスカス~ヴェネチア 56 2436 80 1.27アレクサンドリア~ヴェネチア 266 2198 65 1.41
340:江戸時代の旗振り大坂からの通信速度=和歌山3分、京都4分、神戸7分、桑名10分、岡山15分、広島40分大津の取引所の米価は、1840年以前は大坂から1営業日遅れ→旗振り導入で、同日中に値動きが同期するように
こうなると、旗振り情報を手に入れられた人だけが確実に儲け、他の市場参加者は損をしてしまう。役人が旗振り信号を「不正」行為と見做し、何度も取り締まったが根絶は難しかったようだ。

