2025年09月24日

7年4ヶ月一人旅



世界一周95,000kmの自転車ひとり旅も終盤。北米・南米・欧州・アフリカと回って、最後はユーラシア大陸。

264:イスラム教徒の、とくに田舎の人々は、ときどきこっちがドキッとするくらい、いい顔で笑う。慈悲に満ちたような、その笑顔を見ていると、宗教がいい形で人の心に作用しているな、と思う。イスラム教には客人をもてなすようにとの教えがあり、シリアでもトルコでもよく人の家に招かれ、泊めてもらっていたのだ。

そのシリアが、2011年から14年間も内戦が続いたのには心が痛む。中東では、シリアの隣パレスチナでやはりイスラエルの圧政が続く。ガザでの死者は6万人を超えている。
出ようとすると、名残惜しさがつのってついつい腰が重くなる。こうして、3年半の予定だった旅が、もうすぐ6年になろうとしているのだ。「今日一日ぐらい」が2年半も積もったことになる。
その後も日本帰国まで旅は続き、結局7年4ヶ月かかっている。当初予定の倍以上だ。その間の最も大きな変化はインターネットだったという。旅をスタートした1995年時点ではまだインターネットサービスはほとんどなく、進めている間に飛躍的に発展した。
307:エピローグ
どこに行ってもチャリダーは見かけたし、世界一周をやっている人も数え切れないくらいたくさんいる。旅をとりまく環境は昔とは大きく変わり、インターネットによって情報があふれ、世界中の道は整備が進み、旅はどんどんしやすくなっている。

解説(椎名誠)
・スケール
7年4ヶ月という一人旅は世界のいろいろな旅の記録の中でもなかなか見ない。いや、旅の時間的長さという意味では、実際にはそれ以上の人がいるのをたくさん知っている。ただそれは往々にして旅先のその土地にしばらく住み着いてしまったりして時間がかかるケース(中略)。その意味でこの著者の体験記は記録的だろうと思う。
・観察力
旅の合間に出会うたくさんの人々を、必要以上の意味づけをせず、かなりさりげなく、しかし結果的にはいきいきと正確にとらえ、そのひとつひとつのエピソードがドラマをはらんできちんと描写されている。
・自分の思考を深めている
自分の体を必死に動かし、いくつもの「へこたれ」や「闘志」や「耐え」や「挑み」の感情を持った上で出会った風景でないと、風景はその人に語り掛けてこないという厳しい物理的な現実。




shikoku88 at 18:24│Comments(0) | 自転車

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