2025年09月02日
「タイミングの問題」
人生を失敗できない「プロジェクト」と考えるなら、そもそも何をもって人生が「成功」なのかをまず決めないといけない。山口氏は、以下の3要素が揃うことが「成功」なのではないかという。
これには概ね賛成。要するに、社会に役立てる能力を磨き、そのことで社会的信用を得て、経済的安定を得ること。恋愛はどうなんだ?という話もあるが、そこはこの本の対象外。64:3つの資本とウェルビーイングの関係自己効力感→人的資本(知識・スキル・経験等)社会的つながり→社会資本(信用・評判・つながり)経済的安定→金融資本(現金・資産)
これは戦略論として本質的。例えば、「背水の陣」の語源となった前漢時代の戦い。劉邦の部下であった韓信将軍はたった1万の兵で、20万の兵を抱える趙を討つように命じられる。城で迎え撃つ趙に対して、韓信はわざと川の前に陣を敷く。これは退路がないので「孫氏の兵法」でダメな戦術と言われている。86:長期の合理優れた戦略とはしばしば「短期的に見ると不合理に見えるのに、長期的に見ると合理的」であり、「部分で見ると不合理に見えるのに、全体で見ると合理的」。
これを見た趙軍は、「兵法も知らない素人将軍」と判断。数でも勝っているので、これを一気に殲滅しようと城を出て打って出る。退却すると溺れ死んでしまう韓信軍は奮戦し、その間に、城の後ろに隠れていた2千の騎兵隊が城に入って占領。騎兵隊が掲げた漢軍の赤い幟を見て、趙軍は崩れてしまう。正に、この策は、「長期の合理」あるいは「部分では不合理だが、全体では合理的」であった。
似たようなことは、成長市場にどう「乗るか」にも言える。早すぎれば、技術の確立や市場の立ち上がりが困難で、遅すぎれば、競合が多くなり、経営資産が多いところが有利になる。そのタイミングをうまくとらえるには、「微分のレンズ」で社会の変化を捉えることだという。変化率を見て、コア人材がどう動いているかを注視する。100:成長市場が「爆発的に成長している期間」は「一瞬」誰もが「時期尚早である」と考えるタイミングで大胆な意思決定をしなければ、キャズム前後の「一瞬」を捉えてアドヴァンテージを得ることはできない。
107:YouTube「タイミングの問題」回線スピードの向上や録画品質の向上といった環境面での変化が起きたことで、それまで非常にスジの悪いビジネスだった動画共有プラットフォームが、ある時期から持続可能なビジネスに変わった。
大成功したYouTubeは実は、創業時にVCから200回以上も出資の要請を断られている。それ以前に登場した動画共有プラットフォームはことごとく失敗していたからだ。だが、YouTube創業時には、回線スピードや録画品質の向上と言った事業環境の変化が起きていた。
