2025年06月16日

選択の科学



コロンビア大学ビジネススクールで「選択の科学」(Decision Science)を教えるアイエンガー教授の著作。私もLondon MBAのコア科目でこれを習ったのだが、この35年間でかなり進歩したことが、本書を読むと分かる。

アイエンガー教授はシーク教徒移民の両親の下、カナダで生まれ、アメリカで育っている。シーク教というと、印象深かったのが、映画English Patientに登場するシーク教徒の英陸軍中尉Kip。イタリア戦線でドイツ軍の仕掛けた爆弾処理を行っている。

シーク教徒なので、当然、生まれてこの方一度も髪を切らず、それをまとめるためにターバンを巻いている(逆に、インド人で一番多いヒンズー教徒は髪を切るので、ターバンは巻かない)。ヒロインのハナと仲良くなるのだが、ハッピーエンドとはいかない。

オリエンテーション:私が「選択」を研究テーマにした理由
両親に連れられて週に3日、グルドワーラーと呼ばれるシーク教寺院に通った。(中略)わたしはシーク教の決まりに従い、神に創られたものの完璧さを象徴する髪を、一度も切らずに長く伸ばしていた。

多くの人が、選択という言語の文脈の中で、ものごとを理解し、語ろうとする。選択はアメリカの共通語であり、世界の他の地域でも、ますます多くの人たちが「選択」を基準にものごとを判断するようになっている。「選択」という文脈の中に置かれたときにこそ、一人ひとりの物語は初めて意味を持つようになるのだ。

20:自由とは何か?自由とは選択する権利、つまり自分のための選択肢を作り出す権利のことだ。選択の自由を持たない人間は、人間とは言えず、ただの手足、道具、ものにすぎない。
(アーチボールド・マクリーシュ 米ピューリッツァー賞受賞詩人)



shikoku88 at 20:02│Comments(0) | 映画・TV

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