2025年04月27日

他人の欲望が自分に向けられる瞬間




1996年の原作だから、もう30年近く前。バブル経済は崩壊していたが、まだどこか、「大丈夫、そのうち戻る」という雰囲気のあった頃。その頃、街で新たな現象として注目されていたのが「援助交際」。いつの時代にもあった売春行為だが、「援助+交際」という名前を付けることで暗いイメージが変わり、高校生を中心とする若年層に広がった。

その背景にあったのが、通信の規制緩和で可能になった、テレクラやダイヤルQ2。テレクラは(主に)男性がお金を払って店のブースで女性から電話が掛かるのを待つ。見知らぬ相手とデートして、後は自由恋愛という訳だが、もちろん、かけて来る女性もテレクラがどんなサービスかは知っているから、値段の交渉して・・・ということになる。

Q2は伝言ボックスに電話をして伝言を残す仕組みで、物理的に店に足を運ぶ必要がないから、さらに手軽になった。

その頃は女子高生が身分不相応なブランド品を買うのにお金が欲しくて利用していたといいう。今は「推し活」活動のためになのか。村上龍は、「ブランド品と援助交際を口実にして、女子高生達は他者との出会いの『可能性』に飢えている」と仮定して、本作を書き始めたと書いている(あとがき)。

つまり、お金は二次的な目的で、そうした刹那的な出会いそのものを求めているのではないか?「自分に価値がある」ということを実感することで、自分の存在を確かにしたい、ということか。


33:渋谷109
会ったことのない人と待ち合わせをしたことがある。テレクラにはまっていた中三の頃だ。

54:センター街の喫茶マイアミの上にあるカラオケに行って、オヤジが最初にSPITZをうたったので裕美達は少し驚いた。

185:他人の欲望が自分に向けられる瞬間





shikoku88 at 18:17│Comments(0) | 映画・TV

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