2025年04月09日

洋上の巨人マースクライン




輸送コスト削減のため、大型化の一途をたどったコンテナ船。それを主導したのは「洋上の巨人」と呼ばれるマースクだ。人口500万人の小国デンマークの会社。

175:1990年代のアジアの輸出ブームは、コンテナ船最大手マースクラインに又とない好機となった。他社に先駆けてグローバル化の波に乗った同社は、ヨーロッパ=アジア間および太平洋航路で最大のシェアを獲得した。1999年には親会社のモラー・マースクが南アフリカのサフマリン、さらにマルコム・マクリーンが創業したシーランドを買収し、持ち船を120隻増やし、巨大なクレーンでコンテナの積み下ろしを行う港湾ターミナルの大手オペレーターにもなり、ますます他社との差を広げていた。2003年時点でボックス船(コンテナ船)280隻を所有、30カ所で港湾ターミナルを経営し、輸送用コンテナの製造工場2カ所も所有していた。積荷はほぼ満載状態で、収益も良好だった。

2003年、会長指示の秘密委員会「新船建造プラン」が始動する。
177:積載量の飛躍的拡大を目指すEUROmax
全長400m、当時の最大船の2倍の積載量。1基の大型プロペラを重量2300tの巨大エンジンで回転させ、排気をエンジンに戻して再利用。満載時でも25~27ノットの高速航行。
⇔積み下ろし作業が複雑→47日で周るループの1/4は港での積み下ろし
これに刺激されたのが競合他社で、マースクに対抗するため、各社が競って大型コンテナ船を発注する。それを助長したのは、造船大国の韓国や中国の政府補助だった。
182:エマ号の就航から16か月後の2007年末までに118隻の1万TEU以上のコンテナ船発注
スケールメリットに誰もが目がくらんでいたし、造船活性化を望む各国政府からの低利融資や補助金で、造船コストは極めて魅力的。
しかし、巨大なコンテナ船は単独で使えるわけではない。受け入れ側の港の整備が必要で、それは各国のインフラ整備で賄われた。

大型船は陸側のインフラや外航船を受け入れる港への負担が大きく、大型クレーンの設置、ターミナルゲートの拡張、高速道路との接続、外洋から埠頭までの水路拡幅や水深確保のための高額の浚渫工事などを必要。





shikoku88 at 18:44│Comments(0) | 経済

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