2024年10月23日

飽和資本主義の行方



高齢化で膨張する社会保障費。どう考えても、受給者の負担を増やさないとバランスが取れないのだが、結局、被雇用者の社会保険料の値上げで対処してきた。このため、平均的な給与所得者の税負担率30%+社会保障費20%で、可処分所得が半分ほどしかない(子育て世帯は優遇措置あり)。
138:合成の誤謬を助長するbad policyが今も繰り返される
2000年代に、政府は高齢化で膨張する社会保障給付への対応として、被雇用者の社会保険料の値上げで対処した。政治的反発が最も少ないところから財源を確保したともいえるのだが、グローバル競争が強まる中で、企業部門では人件費負担の重い正規雇用を非正規雇用に代替する動きが始まっていた。(中略)そのことが生産拠点の海外シフトを促し、国内では正規雇用を非正規雇用で代替するインセンティブをさらに強め、結果として、個人消費を抑制させる要因になったと見られる。
円安で一部の輸出企業は潤っているが、国全体としてどうなのか?何しろ、エネルギーの90%、食料の65%を輸入している日本なのだ。
140:円安政策
そもそもすでに完全雇用にある中で、円安によって自国民の実質購買力を抑制し、外国人にサービスを安く供給することが、果たして一国の経済厚生の改善をもたらすのだろうか。全体のパイがほとんど変わらない中で、個人消費を犠牲にし、サービス輸出を拡大させただけではないのか。

141:「失われた40年」に?
2012年末のアベ政策のスタート段階から、日本経済の長期停滞の原因には、分配問題が大きく絡んでおり、円安政策や法人減税で企業部門を利しても問題解決にはならず、むしろそうした家計を犠牲にする政策が問題なのだと主張してきた。

145:長期停滞を考える上で重要な自然利子率
国内経済の自然利子率が低いため、企業は自然利子率の高い海外経済でビジネスを活発化している。裁定によって利鞘を稼ぐというのがビジネスの鉄則、資本主義の鉄則。

254:物価は数倍に?
現在の中央銀行のB/Sの膨張、あるいは統合政府の負債の膨張から推計すれば、物価水準が4〜6倍にジャンプする可能性がある。たとえば物価水準が4倍になることで、現在、250%の公的債務の対GDP比が60%程度まで低下し、持続可能性が回復されるということである。
もちろん、国債バブルの崩壊後、それが逆バブルの過程に入れば、数倍の物価調整では済まされない可能性もある。その分水嶺となるのは、危機が始まった際、政府が財政健全化にコミットできるか否かであろう。




shikoku88 at 22:09│Comments(0) | 経済

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