2024年09月19日
死者の民主主義
第3章は「死者の民主主義」。オルテガは「人間は二度死ぬ」という。最初は心肺停止による肉体の死。そして、死者が忘却されたとき「真の死」が訪れる。
86:それまでのヨーロッパ社会の秩序を支えてきたのは「生きている死者」とともに歩むという感覚。
87:超民主主義
過去からの教訓や制約に拘束されない民主制は非常に危うい。過去と協同せず、現在の多数派の欲望だけから解決策を求めようとすると必ず間違える。
91:フランスの詩人ポール・ヴァレリー
「湖に浮かべたボートを漕ぐように、人は後ろ向きに未来へ入っていく」
100:民主主義と立憲主義
民主主義=最終的に多数派によって決定される政治システム
立憲主義=憲法が権力を縛る「多数派の支持を得たとしても、してはいけないことがある」
*戦後日本の憲法学は、民主主義を優先
高度な政治性をもつ国家の行為に関して裁判所は判断を避ける「統治行為論」
民主主義が最上位にあることが前提だから、立法府と立法府によって選出された内閣には最高裁判所より権威があると考える。
102:「歴史を知る」ことの意味
過去をもたない、あるいは過去を忘れた人間の無邪気さと原始性への後退が始まった。だからこそ、ヨーロッパとその隣接地域でなされている二つの《新しい》政治的試み、つまり、ボルシェヴィズムとファシズムは、本質的な後退の二つの明白な事例。
104:オルテガと同時代の英作家チェスタトン
「平凡なことは非凡なことよりも価値がある。いや、平凡なことのほうが非凡なことよりもよほど非凡なのである」
107:死者の民主主義(チェスタトン)
「伝統とは選挙権の時間的拡大。伝統とは、あらゆる階級のうちもっとも日の目を見ぬ階級、われらが祖先に投票権を与えることなのである」
