2024年07月11日
核廃棄物貯蔵計画
1979年に米国ペンシルベニア州スリーマイル島で起こった原発事故。事故後、周辺の放射能レベルを測ったところ、高レベルの放射線が検出され、「すわ、一大事」となった。ところが、放射能レベルと、原発の位置に相関関係が見当たらない。原発事故が原因なら原発に近いほど放射能が高くなるはずだが、放射能は島内の至る所でランダムに観測された。結局、それは、もともと島の土にウランが含まれていたためだと判明した。
事故では、一時、周辺住民14万人が避難する大騒ぎになったが、もともと自然放射線が高い土地に住んでいたのだ。212:スリーマイル島原発事故高レベルの放射能の原因は、現地の土に含まれているウラン。崩壊して放射線ラドンガスに。5万人の近隣住民に対して、こうした自然放射線による過剰死亡者数は60人。
著者が、「非科学的」と指摘するのは、核廃棄物貯蔵計画に対する反対。核廃棄物であろうが、天然のウランであろうが、放射性物質であることに変わりはない。核廃棄物貯蔵では、地中奥深く、頑丈な密閉容器に入れられて保管されることになるが、世界には天然ウランが何の保護もされないまま散在している。214:チェルノブイリ原発原子炉を格納する建屋さえもなかった。もし格納建屋があったなら、死者はほとんど出なかったかもしれない。チェルノブイリ原発事故はメルトダウンでなく、核連鎖反応の暴走による反応度事故。
225:地中に天然ウランが残ったままのほうがもっと危険。大量のウランを産するコロラドは、地質学的に活発な地域であり、断層や亀裂があちこちに存在。そして、その地表の岩には約10億トンものウランが含まれている。このウランの放射能は、ユッカマウンテンに対して法的に定められた限度の20x。
つまり、放射能を恐れるなら、せっせと地中の天然ウランを掘り出して発電に使い、残った核廃棄物を厳重に貯蔵するのが一番ということになる。しかし、原発反対派は、より脅威となる天然ウランには何も言わず、核廃棄物の貯蔵には反対する。
発がん物質ということでは、石炭の燃えカスの方が何十倍も脅威らしい。しかし、その灰は、核廃棄物のような厳重な取扱い規定もなく、埋め立て処理されている。その他、さまざまな化学物質の方が、健康被害は大きく、かつ、環境汚染物質として自然界に永久に残るという。229:プルトニウムの毒性は過大評価石炭火力発電所では、その廃棄物を地下に埋めている。石炭は放射性ではないが、その灰には大量の発がん物質が含まれる。こうした灰が地下水に混入したら?こうした発がん物質は、プルトニウムのように24千年の半減期で消えてしまわない。永久にそのまま。
