2023年11月01日
農耕のエネルギー
「農耕により人類は太陽エネルギーを占有した」という見方が新鮮。
48:土地を開墾し田畑を整備して農作物を育てるという行為=その地に自生している植物をすべて追い出して、その土地に注ぐ太陽エネルギーを人類が占有する
確かに、その通り。世界中で栽培されている「パートナー植物」が、いずれもイネ科というのも偶然ではない。「栽培が容易で、保存に長ける」からだ。
人類は誕生以来、何万年も狩猟採集で生きながらえてきたので、農耕作業は得意ではない。それでも、安定的に食料が得られることには大きなメリットがあった。中近東=ムギ中国=イネメキシコ=トウモロコシ
農耕が始まったことで、世界人口は100倍以上になったと考えられている。人類が自由に使える人的エネルギー量が100倍に増えたわけで、これが火の利用に次ぐ、人類史上二番目のエネルギー革命と言える。50:人類へ与えられた罰「農耕」それがいかに重労働を伴うものであっても、その労働の結果得られる食料がごく一握りの穀物種に依存し、いかに貧しく偏ったものであったとしても、一人当たりの換算で狩猟採集の生活から得られるカロリーの倍近いカロリーを農耕生活からは得ることができる。
51:人的エネルギー量農耕生活が始まる以前の12千年前時点では500~600万人(世界人口)2千年前 約6億人
しかし、農耕の普及は、「戦争の勃発と奴隷制の始まり」でもあった。
52:農耕がもたらした闇土地に降り注ぐ太陽エネルギーの確保をめぐって人と人とが集団でいがみ合い戦う。古代において戦いに敗れた人たちは、殺されるか奴隷にされるか。なかでも古代ギリシアや古代ローマは、戦争に敗れた民族を奴隷化することで成り立つ社会。人類が活用できる一番のエネルギー源が人的エネルギーであった古代社会では、人を隷属させることには極めて大きな価値。
例えば、古代ローマでは、ラティフンディウムという大土地所有制により、大量の奴隷を使った農業が行われていた。民主主義はローマ市民だけのためのものであった。
54:60haのオリーブ畑には13人の奴隷、25haのぶどう畑には15人の奴隷(共和制ローマ大カト)

