2023年12月09日
トンビが鷹を生む
時代は昭和37年。舞台は広島県の架空の街「備後市」。備後で一番大きな海沿いの街というから、これはもう福山市だろう。
その年、主人公ヤスに待望の子どもができる。ヤスは高卒で、地元の運送会社で働いている。
16:名づけ男だったら、小林旭の「旭」女だったら、吉永小百合の「小百合」
男の子だったので「旭」に。そのアキラが4歳のとき、事故が起こる。それ以上は、ネタバレになるので止めておくが、時代は翌年生まれの私とピッタリで、場所も瀬戸内海を隔てた向かい(瀬戸大橋ができるまでは、多度津から直接行けるフェリーも出ていた)なので、時代背景だったり、風俗、エピソードがいちいち心に響く。
旭は勉強ができ、県立の進学校に入学。その時の受験が、また、当時の地方受験生の典型なのだ。
旭は勉強ができ、県立の進学校に入学。その時の受験が、また、当時の地方受験生の典型なのだ。
239:国立は、広大を受けるけん。そのかわり、私立は東京の大学しか受けん。できれば早稲田、がんばって受けてみたいんよ」
そして、無事、早稲田大学法学部に入学した旭は、学生時代からバイトしていた出版社に就職。雑誌編集に携わる。この辺は、同じく昭和38年岡山県生まれで(早生まれなので、学年は旭の設定と同じ)、早稲田卒(ただし、教育学部)、出版社勤務を経て小説家となった著者と重なる。自伝的作品なのかもしれない。
195:割り算の「余り」のようなもの

