2023年12月09日

トンビが鷹を生む

とんび (角川文庫)
重松 清
KADOKAWA
2012-10-01



時代は昭和37年。舞台は広島県の架空の街「備後市」。備後で一番大きな海沿いの街というから、これはもう福山市だろう。

その年、主人公ヤスに待望の子どもができる。ヤスは高卒で、地元の運送会社で働いている。
16:名づけ
男だったら、小林旭の「旭」
女だったら、吉永小百合の「小百合」
男の子だったので「旭」に。そのアキラが4歳のとき、事故が起こる。それ以上は、ネタバレになるので止めておくが、時代は翌年生まれの私とピッタリで、場所も瀬戸内海を隔てた向かい(瀬戸大橋ができるまでは、多度津から直接行けるフェリーも出ていた)なので、時代背景だったり、風俗、エピソードがいちいち心に響く。

旭は勉強ができ、県立の進学校に入学。その時の受験が、また、当時の地方受験生の典型なのだ。

239:国立は、広大を受けるけん。そのかわり、私立は東京の大学しか受けん。できれば早稲田、がんばって受けてみたいんよ」

そして、無事、早稲田大学法学部に入学した旭は、学生時代からバイトしていた出版社に就職。雑誌編集に携わる。この辺は、同じく昭和38年岡山県生まれで(早生まれなので、学年は旭の設定と同じ)、早稲田卒(ただし、教育学部)、出版社勤務を経て小説家となった著者と重なる。自伝的作品なのかもしれない。

195:割り算の「余り」のようなもの



shikoku88 at 21:54│Comments(0) | 映画・TV

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