2023年06月16日

「必ず次の危機は起こる」



文明が誕生して以来、経済の歩みは一進一退だった。狩猟採集の時代は、自然の恵み以上に人口が増えることはなかった。それが、農耕の発明で、人類は計画的に食料生産できるようになり、それで、まず一桁人口が増える。それでも、人間が耕せる土地には限りがあり、単位面積当たりの収穫量は長年に渡って変わらなかったから、それからまた、数千年に渡る長い停滞がある。

世界が、現在の劇的な人口増になるのは、産業革命以来。それまでほとんど使われなかった化石燃料を利用する方法が発明され、人類は自然環境をかなり克服するできるようになった。大型機械を使って山を開墾し、長い水路を掘って不毛だった地を灌漑した。多大なエネルギーを使う窒素固定法が発明され(ハーバー=ボッシュ法)、化学肥料で飛躍的に収穫量を増やせるようになった。

産業革命と二人三脚で拡大したのが資本主義。産業革命のためには、リスクのある大きな資本を集めなければならず、それに最も適した方法が資本主義だったといえる。資本主義の弱点は、リスク・テイキングが行き過ぎるところ。投資家のリスクは有限責任で、出資額に限られ、一方、成功報酬は青天井なので、経済成長が続く限り、張り続けた方が勝つ見込みが高いからだ。

経済成長を上回る投資が行われる結果、バブルが起こり、そしてそれが破裂する。
234:次の危機はどこで起こるのか?
100年間の経験が教えるのは、「必ず次の危機は起こる」。

ところが、長年に渡る経済活動は、不可逆的な環境破壊をおこし、それが経済成長の限界となりつつある。
235:各国の少子高齢化で世界の「日本化」?
再生エネルギーへの移行過程でエネルギー価格上昇、官民の投資増からくる高金利や増税等により、景気停滞が続く可能性。長時間かけて進行する生活習慣病のように、こうした停滞の方が解決の難しい、怖い危機。

これまで、戦後経済で、米国の経常赤字のおかげで世界経済は繁栄していた。米国は世界最大の経済・軍事大国でその威信があるから、覇権国として経常赤字を続けられた。

248:移行過程でパニック的な危機が発生する可能性は高く、世界的な低成長に移行した後は、停滞による「長い危機」が起こる可能性。

このままパーティを繰り返す不摂生な人生を送るのか、財政規律を回復して、バブル発生を抑えるか。先日読んだタレブの『反脆弱性』にも通じる。
250:規律の回復した社会で、どうやってイノヴェーションを維持し、「長い危機」に陥らないか
米国のマクロ政策に規律が戻り、国境を超える投資がリスク管理を強めていけば、世界経済の平均速度は少し下がるものの、同時に「交通事故」は減る。


shikoku88 at 22:53コメント(0) |  | 経済 

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