2023年03月22日

会計トリック



上から下まで、計画数字の未達が即キャリアの終わりを意味するGEでは、「四半期末が近づくと、経営陣は当然のように、土壇場での調整や目まぐるしい事業部間取引を行った」という。
45:GE Plastics
ウェルチを恐れ、売上原価を下げるために在庫の数字を調整して、利益を膨らませていた。(中略)彼らは事業の結果を正直に記録して四半期ごとに報告するのではなく、まず利益目標を決めてから、その数字をつくるために必要な帳簿上の調整を行っていた。
この構造は、東芝やカネボウで起こったことと何ら変わりがない。さらに、GEには合法的に利益を確保できる打ち出の小槌があった。
75:買収による利益確保
GEは、工業分野の企業としては異例の高さを誇る株価収益率(PER)を価値の高い通貨として、企業買収を進めることができた。株価収益率の低い企業を単に買収するだけで、自動的に利益を上げることができた。
これは、どういうことかというと、ジャック・ウェルチの最盛期、GEのPERは40xもあった。GEがPER10xの企業を買収すれば、一株当たり$1の利益が$10の株価になっていたものが、$40で評価される。利益を$3増やしたのと同じ効果があった。

こうして、ウェルチCEO在任20年間で約1000件、月平均4件の企業買収を行い、その総額は1300億ドルを超えた。しかし、それだけでは巨大なGEが継続して利益を上げ続けるには足らない。そこで使われたのは、これも、日本で「飛ばし」として有名になった、オフバランス化だ。
77:Edison Conduit特別目的会社
会計上、この会社はGEから独立しており、GEのB/Sにも載っていない。問題は、GEがこの会社を支配し、GEキャピタルが保証しているにも関わらず、投資家がその存在を知らないということ。
しかし、それはエンロン事件で終わりを告げる。最盛期には1000億ドル(13兆円)以上の利益を上げ、「自他ともに認める天才企業」であったエンロンが、大規模な不正会計の発覚により、一瞬で倒産してしまう。同事件への結果、再発防止策としてサーベンス・オクスリー法(SOX法)が施行される。

79:SPC
02年の報告書では、複数の特別目的会社に合計550億ドル以上の資産があることを開示。
特別目的会社への資産売却によって、13億ドルの利益を得たことも明らかに。

82:「ジェフ(イメルト)に降りかかった最悪の出来事は9.11じゃない。サーベンス・オクスリーだ」(GEのある取締役)
SOX法によってGEは、投資家に報告する利益をこれまでのように操作することができなくなった。




shikoku88 at 21:54│Comments(0) | 仕事

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