2022年08月19日

「鷲は舞い降りた」その後

鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫NV)
ジャック ヒギンズ
早川書房
1997-04-01



この「完全版」では、初版時に削除されていた戦後のエピソードが補完されている。作戦参加者で生き残ったのは、ドイツ落下傘部隊ではリッター・ノイマン副隊長のみ。彼は戦後フランス軍に参加し、ベトナム独立戦争で死んだ(ことになっている)。

落下傘部隊を悪天候の中、無事ノーフォークの海岸に届けたものの、帰還中に友軍機に襲われて(カムフラージュのため英空軍塗装を施していた)重傷を負ったゲーリケ大尉は、アムステルダムで遊覧船を運営している。

本小説はもちろんフィクションだが、史実も入っている。まず、ヒムラーの最後は本当。身分を偽って逃げようとしたが、捕まってイギリス軍の捕虜収容所へ。そこで、一捕虜としての待遇に我慢できず、自らヒムラーだと名乗ったそうだ。所長に待遇改善を交渉しようとして、その前に全裸で身体検査を求められる。待遇改善どころか、裁判で死刑になることを悟ったのか、その時に隠していた青酸カリで自殺している。



579:ハインリヒ・ヒムラー(親衛隊長官)
片目に黒い眼帯をかけ、兵卒の制服を着て、終戦直後のドイツの混乱状態の中に姿をくらまそうとした。イギリス軍につかまると、歯茎に隠していた小さなガラス瓶の青酸カリをのんだ自殺した。

581:マックス・ラードル(アプヴェールZ部第3課課長)
病人のまま生き延びて、バヴァリア・アルプスのホルツバッハという美しい村で、愛する妻トルーディと3人の娘たちと共に2年近く暮らしていた。そこで彼は、あの緊迫した数週間の日記を書き上げ、編集することに時間の大半を費やした。私が懸命に説得した結果、1973年6月のある忘れ難い週末に、彼の未亡人がついにその日記を読むことを許してくれたのである。

582:リッター・ノイマン副隊長
フランス外人部隊落下傘連隊の軍曹として、1954年にディエン・ビエン・フーで戦死し、あの暗夜、人生で最大のばくちを打った若い勇敢な船乗りパウル・ケーニヒは、連合軍が侵攻を開始した日の3日後、マルベリイ港を基地にしていたイギリス輸送船団に魚雷攻撃をかけ、彼のEボートがアメリカ駆逐艦の大砲で撃沈された。




shikoku88 at 19:18│Comments(0) | 政治

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