2022年08月17日

MI6

鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫NV)
ジャック ヒギンズ
早川書房
1997-04-01



原作が1975年に出版されたJack Higginsによる傑作冒険小説。その後映画化されたのを見ていたのだが、原作を読んでなかったので、コロナ療養中に読んでみる。1992年に日本語訳が出た完全版。

イギリスの冒険小説らしく、舞台設定が巧みで、登場人物が多彩で国際的。それぞれが歴史的、国際的運命から、この敵地でチャーチル首相を誘拐するという計画に参加する。ドイツ軍情報局のカナリス提督は否定的で、まず成功の確率が少ないし、万一成功したとしても、次の首相が就任するだけなので、戦争の帰結に影響を及ぼさないから無駄だという。ドイツのヒトラー総統と、議会で選ばれるイギリスの首相の違いだ。

ドイツ秘密警察ゲシュタポ長官のハインリヒ・ヒムラーは、イタリアからムッソリーニをSS奇襲部隊がグラン・サッソから救い出したことを例に、実施をヒトラーに進言する。

44:ドイツ軍情報局アプヴェール長官ヴィルヘルム・カナリス提督
「人が何といおうと、イギリス人はばかではない。英国諜報部第5部、第6部とも、オックスフォードやケンブリッジで学んだ非常に丁重な口のきき方をする若者を大勢使っているが、彼らは怪しいと思ったらなんのためらいもなく拳銃を撃つ」

有名な007が所属するのが、英国諜報部第6部で通称MI6。これはMilitary Intelligence 6の略で、直訳すれば軍情報部だが、実際は外務省管轄の情報機関だ。こう呼ばれるようになったのは、本格的に活動を始めた第二次世界大戦中、その存在の秘匿のために、陸軍情報部内の空き番号であった5番が保安部(国内担当)、6番が秘密情報部(国際担当)に当てられたからだ。

長年、その存在は公然の秘密になっていて、イギリス政府は存在を認めていなかった。関連法が整備され、その存在を公式に認めたのは1994年のことだった。最近では、MI6長官が歴史上はじめて公開演説した(中国の脅威について)。





shikoku88 at 18:07コメント(0) |  | 政治 

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