2022年07月11日
ベルリン
パリで再会。女の住むボンに移動し、山の湖で釣りをした二人。趣味の釣りで一時は回復した男の情熱だが、ボンに戻ると再び元の自堕落な生活に。そこで、再び二人は旅に出るのだが、今回はベルリン。壁で隔てられた東西ベルリンだ。
今年3月に開高健記念館(茅ヶ崎)を訪れたとき、玄関前にあったのが、「入ってきて、人生と叫び、出ていって、死と叫んだ」の碑。それだけでは何のことか分からなかったが、これは本書の最後に出てくるベルリンの環状電車に乗ったときの話だった。
241:ベトナム戦争
いっさい数字をあげないで、市民は逃げつつ殺され、アメリカ兵はたたかいつつ殺され、反政府兵はたたかいつつ殺され、政府兵は逃げつつ暴行略奪しつつたたかいつつ殺されたといったほうがいいかもしれない。
273:大学の同級生
「会えば病気かゴルフの話だね。糖尿や血圧なんかがいい。病気の話をはじめるといきいきしてくる。そうでなかったら戦争中、子供のときに豆カスやハコベを食べた話、これもいきいきできる。無限に語れるね。病気と豆カスの話をするなといわれたら両手を縛って川へほりこまれたようなもんだ」
292:ベルリンの環状電車
頑固に、勤勉に、正確に、止まったり、かけぬけたりするが、おなじことだった。入ってきて、人生と叫び、出ていって、死と叫んだ。


