2022年01月28日
最後の貸し手
巻末の「解説」を書いているのは、鈴木正俊(日本経済新聞社)。アメリカには1930年代「大恐慌」の研究書が豊富にあるが、日本で昭和金融恐慌を研究した本は数少ないという。その代表作が、本書なのだ。
昭和金融恐慌のきっかけは、第一次世界大戦後の「金解禁」によるの激しいデフレショックであった。この時、金本位制復帰をめぐり、「旧平価」で復帰するか「新平価」かで大論争が巻き起こる。
「旧平価」を主張していたのは、大蔵大臣の井上準之助らであり、旧平価で復帰することは第一次世界大戦の戦勝国となり、「一等国」となった「日本の面子」でもあった。これを財界も支持したというのは、よほど経済に暗愚だったのだろう。
大戦の終了後、戦争特需で沸いた日本の好景気は続かないとみられ、既に円ドルは15%下落していた。このため、為替レートに合わせた「新平価」での復帰を主張していたのが、高橋亀吉や石橋湛山の民間エコノミストであった。
ガルブレイス『大恐慌』
キンドルバーガー『金融危機は再来するか』
アレン『オンリー・イエスタデイ』
第一次世界大戦後の「金解禁論争」の主役の一人が高橋亀吉
金本位制復帰 「旧平価」か「新平価」か?
大蔵大臣 井上準之助 旧平価(日本の面子)←財界も支持
*円ドルは15%下落していた(円安)→旧平価なら激しいデフレショック
高橋亀吉、石橋湛山(民間エコノミスト)為替レートに合わせた「新平価」
銀行倒産などによる金融システムの動揺、崩壊を回避するための「セーフティーネット」
・預金保険機構
・銀行の自己資本比率規制
・日銀の最後の貸し手機能
キンドルバーガー「中央銀行が最後の貸し手として登場するかしないか分からないように行動することが大事」
こうした緊張状態で、銀行は安易な貸し出しを行って、経営リスクを高めないようにする。

