2021年10月01日

イノベーションのコストを誰が負担するのか




イノベーションにはコストを伴う。一番わかりやすいコストは、研究開発に伴うコストだが、特に、基礎研究はハイリスクで、いつリターンがどういう形でとれるかも分からないため、通常企業は手掛けない。

しかし、長い目で見れば、国家の競争力を左右するため、これを国家予算で賄うというのが多くの先進国のやり方だ。民間企業が中心になってイノベーションを起こしている印象のあるアメリカでも、実は、ほとんどの基礎研究が国家予算、それも世界最大の国防予算を使って行われている。有名なところでは、インターネットもGPSも軍事技術として研究された。

日本は例外的に、基礎研究の一部まで企業が実施してきたので、島津製作所や旭化成の研究者がノーベル賞を受賞するような事態が起こる。民間企業研究者でノーベル賞受賞者数は日本が世界最大ではないか?他の国の受賞者では長年聞いたことがない。

ところが、資本効率を求める資本市場からの圧力で、基礎研究は縮小傾向にある。「イノベーションのコストの多くを企業が負担してきた日本で、イノベーションの野生化が進んでしまうと、基礎研究を行う組織が日本になくなる。『ガチョウ』を殺してしまう」という。

では、どうすればいいのか

191:流動性は高いほど良いのか
資金の流動性は、イノベーションを起こしやすくする一方で、生産性の低い既存企業が生き残りやすくなる。

192:累積的なイノベーションの水準を下げる流動化
サブマーケットを開拓するためのスピンアウト競争が前倒しで行われてしまう。
→「手近な果実」がターゲットにされやすい

198:イノベーションのコスト
プライベートなコスト=企業がイノベーションを生み出すために支払うコスト
社会的なコスト=企業がやらないような不確実性が高い研究や基礎的な研究に掛かるコスト+負の外部性(環境問題、セーフティーネット)

200:基礎研究を誰が負担するのか
アメリカで基礎研究を支えているのは、大学←国防予算(国の研究費予算の半分)
日本では、企業。

203:「破壊によるコスト」を誰が負担するのか
イノベーションによって代替されてしまう仕事に従事している人々→セーフティーネット
アメリカ=企業が人員の整理を行いやすい社会→企業が新しいビジネスへと転換→長く収益性を高く保てる



shikoku88 at 19:10│Comments(0) | 仕事

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