2021年06月21日
日本の「しきたり」のウソ・ホント
「しきたり」の定義は、「以前からのならわし。慣例。先例」(『広辞苑』第5版)であり、「前々からそのようにしてきたこと」(『大辞林』第3版)だが、実際は、時代とともに変化している。新たな「しきたり」ができる一方、何百年も続いてきた「しきたり」が廃れて、忘れられることもある。
「はじめに」で新しい「しきたり」として挙げられているのが、節分の恵方巻。
「恵方巻については、多くの人が覚えているだろうが、少し前まではそんなしきたりはなかった。(中略)全国に広まったのは21世紀になってからである。コンビニが広めた可能性が高い」(はじめに)
「恵方巻については、多くの人が覚えているだろうが、少し前まではそんなしきたりはなかった。(中略)全国に広まったのは21世紀になってからである。コンビニが広めた可能性が高い」(はじめに)
恵方という考え方は昔からあり、「恵方とは正月に神が来訪する方角のこと」だそうだ。恵方は毎年変わり、その年に恵方にあたる神社に参拝に出かけることが「恵方参り」で、これは江戸時代以前から長く続く伝統。
しかし、節分に恵方巻をその方角を向いて食べる習慣というのは、最近のこと。もとは、大阪の花柳界で大正時代に始まったらしい。それを平成になってコンビニが大々的に宣伝して広めたらしいのだ。
「昭和の時代には、節分にまく豆を年の数だけ食べるということっが、子どもには一つの楽しみに泣ていた。だが、食べ物をめぐる環境がよくなった現代においては、豆を食べるだけでは物足らない。そんな思いを抱いていたときに、豪華な恵方巻を食べると縁起がいいという、新しいしきたりが考案され、それはそれで歓迎された」(はじめに)
逆に、「生活と合わなくなれば、そのしきたりは廃れていく」。その具体例としてあげられているのが、お盆の「送り火」と「迎え火」だ。こちらは、先祖の霊を迎え、また送り返すために各家庭で数百年以上行われてきたが、平成になって急速に廃れた。
「私たちは、いったいどういうしきたりに従い、それを守っていけばいいのか。その由来や起源をしっかりと見極めることで、ほんとうに意味のあるしきたりを見出していかなければならない」

