2021年06月01日
みなで豊かになる経営
オーナー経営の上場企業は、市場全体に比べて業績が良い。結果、株価も上がるので、オーナー企業だけに投資するファンドもあり、好成績を上げている(下図)。
それ以外の取締役が自社株を持っているかどうかと、経営成績には直接関係はないといわれる。しかし、少数株主としては、やはり全取締役が株数に違いはあっても株主である方が、取締役会全体として会社の未来に自信を持っている印象を受けるのは間違いない。
難しいのは、従業員にどれだけ株を持ってもらうかだ。未公開段階と上場後では、IPOを境に、相当な株価のギャップがある。一つには、同じ株式でも流動性があるのとないのとでは価値が違うためだが(一般的に、流動性ディスカウントは30%)、他にも、そもそも成長期に上場することが多いので、成長プレミアムで未公開時の株価から数倍、場合によっては、数十倍になることもある。
その結果、100万円の出資が上場後1000万円を超える価値になることがある。身の丈を超えた資産を急に持つと、仕事が手につかなくなったり、退職してしまったりと、本来、より仕事に励んでもらうためのインセンティブとして渡したはずの株が逆効果になってしまう。
本書で提言しているのは、既に上場している企業での話。IPOのケースほど急激に株価が騰がることは少ないだろう。5年かけて数倍、10年で10倍といったイメージ。経営者や従業員が十分に自社株を持ち、「経営の長期的成果を享受できる構えを作る」。
経営者にとって一番うれしいのは、定年退職まで勤め上げた元社員から、「自社株のおかげでいつの間にか一財産つくれました」と感謝されることだという。
27:みなで豊かになる経営・経営者や従業員が十分に自社株を持つ。すでに会社にコミットしているみなが、経営の長期的成果を享受できる構えを作る。・自社株式を十分に持った従業員は経営への参加意識を高める。みなの知恵を経営レベルに結集して、経営の次元を上げる。「厳選投資家の思考と技術」を組み合わせることで、収益性と企業価値をジリジリと上げていく。・経営の長期的成果を、経営者・従業員・厳選投資家の三者で享受し、みなが報われていく。54:複利の経営株式累積リターンときれいな相関があるのはROEやROICなど「利回り」104:日本企業のROEが低い理由ROE=事業マージンx資産回転率x財務レバレッジ資産回転率や財務レバレッジは欧米企業とそう変わらない。利益率が半分→ROEが半分
