2020年08月22日
復活の日
コロナ禍で急に注目された古い小説。初版は1972年というから大阪万博の後で、石油ショックの前。高度経済成長で日本は浮かれていた時だと思う。そんなときに出た人類が滅亡するという話は、翌年出た『日本沈没』と並んで、筆者を流行作家にした。
かくいう私も、映画『日本沈没』しか見ていなかったが、今回、「誤って拡散した細菌兵器で人類が滅んでしまう」という本書を読んでみる。
話は、アメリカが宇宙で採取したウイルスをイギリスが盗んだところから始まる。同盟国とはいえ、国益をかけて、利害が衝突することもある。それをもとにイギリス陸軍研究所でつくり出されたのが最強最悪のMM-88と言われるウイルス核酸。これを盗み出した飛行機がアルプス山中で墜落。ウイルスは3か月で世界中に拡散し、人類は死に絶える。
唯一生き残ったのが、世界から隔離され、各国の南極基地で越冬していた約1万人。人類はここから復活できるのか?という筋書き。
話には、米軍が朝鮮戦争で細菌爆弾を使用したとか、訓練中のB47が米本土で水爆を誤って落とした(安全装置が働いて不発)とか出てくるのだが、本当か?
調べてみると、米軍が朝鮮半島で細菌爆弾を使用したのは事実らしい。しかも、そのもとになっているのは旧日本軍の731部隊で、研究者が戦後、免責の代わりに米軍の細菌戦研究に協力させられている。
1957年の水爆落下事件は確認できなかったが、類似の以下の事件を参考にしていると思われる。
・1958 SC上空を飛行中のB47から核爆弾が落下
・1961 NCを飛行中のB52が空中分解し、水爆が落下
・1968 水爆4発を積むB52がグリーンランドで墜落
冷戦時代、第三次世界大戦勃発以外にも際どい事故が何度もあったわけで、これまで大きな事故なく生き残れたのは幸運だったというしかない。また、今回のコロナでも「中国の軍研究施設からウイルスが漏れた」との事故説は今もある。
75:ワクチン製造
卵に菌種を植え付けて、ワクチンを作るまで100日も掛かる。
103:朝鮮戦争で細菌爆弾使用
岩国基地で細菌戦の訓練を受けたB26が、1952年1月、10個の細菌爆弾を北朝鮮に投下したとアメリカの飛行士が証言。
297:1万人対16人
南極には、米英ソ、それにノールウェーをふくめて全部で16名の女性がいた。そしておそらく、この16名の女性が、人類にのこされた最後の女性かもしれなかった。
323:核ノイローゼ
1957年、訓練中のB47が、東部NJの上空で、水爆を誤って落とすという事故。安全装置がかかっていて爆発しなかったものの、後の調査で、6つの安全装置のうち、5つまでがこわれていて、最後の一つで爆発が防がれたことが判明。
