2020年08月13日

どんな人生にも雨の日があるから『アンデルセン童話』

教養は児童書で学べ (光文社新書)
出口 治明
光文社
2017-08-18



『人形姫』などで知られる『アンデルセン童話』。アンデルセンは生まれが貧しく、十分な教育を受けられなかった。そのため、彼の書く文章には単純なスペルミスがあったりして、母国デンマークでの評価は、海外で名声を高めてからも、なお高くなかったという。

独学で学んだアンデルセンは、ことさら「旅」を愛した。1831年、26歳の時に訪問したドイツを皮切りに、68歳まで、なんと30回も海外への旅に出ている。北はスウェーデン、東は、イスタンブール、黒海、南はシチリア、マルタ島、西は連合王国(英国)やポルトガルまで。飛行機はおろか鉄道も整備されておらず、乗合馬車の時代にあって、いくら欧州は地続きだとはいえ、これはスゴイ。

先日、予定通りスウェーデンで9か月の滞在を終えて帰国した彫刻家に会った。滞在の終盤にコロナ禍が発生。しかし、よく知られた通り、スウェーデンは当初から集団免疫作戦をとっており、市民生活は最後まで変化がなかったという。会社も学校もこれまで通り。帰国したら、統計的にはるかに感染リスクの少ない日本のほうが「あれもダメ、これもダメ」と制限されているのに驚いたという。

コロナ禍は学校教育の機会や旅行による体験の機会も奪っている。「可愛い子には旅をさせよ」は、リスクをとっても旅行による得難い体験したほうがいい、ということだったと思う。昔の旅行は今と違ってけた違いに危険で、旅先で頓死ということも多かった。それに比べれば、PCR検査を受けてその結果が出るまで数日間隔離で済む程度なら、海外旅行にもどんどん出かけたほうがいい。

97:独学で学べる人は強い
アンデルセンは生まれが貧しく、十分な教育を受けられませんでした。彼の書く文章には単純なスペルミスがあったりして、母国デンマークでの評価は成功してからでもなお高いとは言えなかった。

貧しい靴職人の息子としてアンデルセンが生まれたのは、1805年。(中略)グリム兄弟は高等教育を受けた知的な人たちでしたから、そういう意味では対照的。アンデルセンは独学で学ぶ。人間が賢くなるために必要なのは、<人、本、旅>

103:どんな人生にも雨の日はある
ここまで自己を犠牲にしてもなお実らないという物語が読み継がれているのは、やはり世の中には理不尽がたくさんあるから。それを暗くつらく書いてあれば逆に落ち込むが、美しく清らかに書いてあるので、読んでいると自分の気持ちが浄化できる。<カタルシス>


shikoku88 at 19:08コメント(0) |  | 旅行 

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