2020年05月14日
さらに完璧な世界がそこに(公差=0.0000001”)
第4章には、第2章にも出てきたブラマー錠が再び登場する。前回はその誕生の話だったが、今度はその61年後、それがアメリカ人によって破られる話だ。
時は1851年のロンドン万国博覧会で、会場となったのは鉄とガラスで建設された「水晶宮」であった。ホッブズは、このために製作したきわめて小さい器具をいくつも組み合わせて、錠前の内部に挑んだ。結局、16日間かけて全51時間を費やしたのちに破られたものの、専門家がこれだけの準備と時間をかけなければいけなかったことで、この錠前が現実問題として難攻不落であることを裏付けることになった。

144:ジョゼフ・ホイットワースモーズリーのもとから独立したあと、ホイットワースの功績を決定づける二つの発明が誕生している。一つは規格化されたネジであり、もう一つは測長機だ。この二つは文字通り機械的に結びついており、にわかに巻き起こった新しい科学への熱狂的関心へとそのどちらもがつながっていった。「計量学」正確な測定の技術と理論を研究する分野。164:ブラマー錠(1790)18世紀イギリスが生んだ最高級の精密装置。ジョゼフ・ブラマーが懸賞金をかけた「挑戦錠」は、ピカデリー大通りのウインドゥに展示されてから61年間の間、一度も破られることがなかった。165:ロンドン万国博覧会(1851)アメリカ人Alfred C. Hobbs(1812-)がブラマー錠を破る。16日間かけて全51時間を費やしたのち。ホッブズは、このために製作したきわめて小さい器具をいくつも組み合わせて、錠前の内部に挑んだ。166:ブラマー錠前社今もロンドンにあり、世界中に錠前を販売している。そのすべてが、1784年にジョゼフ・ブラマーが設計した当初のデザインを下敷きにしている。
