2020年04月27日
新「わが孫たちの経済的可能性」
1930年に出版されたジョン・メイナード・ケインズの『説得論集』に「わが孫たちの経済的可能性」というエッセイが収録されている。
「このなかでケインズは、生きるために戦う段階から生きるために学ぶ段階へと進歩した、そんな100年後の未来を思い描き、興味深い予測の数々を紹介している」(編集者によるまえがき)
・生活水準は4~8倍程度にまで向上
・週労働時間は15時間程度
これが一つのきっかけになって、本書のアイデア「経済学者、未来を語る」が生まれたという。それぞれ、現在を代表する経済学者によって書かれた興味深い論考があるのだが、先週のThe Economist『2050年の技術』の紹介で疲れてしまった💦 ごく一部だけ紹介することにする。
第5章の執筆者はスペインの経済学者であるAndreu Mas-Colell。数理経済学・マクロ経済学の権威で、彼の教科書Macroeconomic Theory(共著)は世界中の経済学部大学院で使用されている。
143:古典的な課題の未来ケインズにとって、大きな課題は生活水準、すなわち貧富の問題だった。彼は楽観主義者だったが、お人よしではなかった。100年後の未来はバラ色だと予測する一方、進歩の速度は複数の条件に左右されるものだと十分に認識していた。具体的には三つの条件を挙げている。人口増加が抑制され、科学が確実に進歩を遂げ、戦争や内戦が回避されること。146:新たな課題1.太陽は未だに存在しているのだから、私たちには無尽蔵のエネルギー源がある。2.環境問題に関しては、私たちは発想を改めなければならない。環境を一つのコンセプトとしてとらえるのではなく、多面性を認めたうえで検討していくべき。*変化のペース。エネルギーの生産や利用に関して新しい技術に順応する際の費用便益をきちんと分析するためには、移行コストを含めなければならない。152:認証経済今後は能力や権力や信頼性に認証が必要な時代。氾濫する未加工の情報にラベルを付ければお墨付きを与えるようなもので、情報には大きな価値が備わる。(たとえばブランドのように)製品そのものが認証の機能を備えている時もあるし、第三者から認証される可能性も考えらえれる。

