2020年03月31日
「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質
「身銭を切る」、つまり、失敗して「授業料」を払った体験から学ぶことの方が人は多い。理想的には、先人の知恵を学んで、失敗を避けられればいいのだが、なかなかそうはいかない。かくして、人類は同じ失敗を歴史上繰り返すことになる。
著者は、レバノンでギリシャ正教の一家に生まれ、Wharton MBA、パリ大学で博士号。NYUでリスク工学の教授。『ブラック・スワン』で有名になった。
レバノン出身ということもあるのだろう、「干渉屋」であるアメリカ政府には辛辣。アメリカ国務省は、アフガニスタンに侵攻したソ連に対抗するため、反体制イスラム教組織の誕生、訓練、支援に手を貸した。それが、アルカイダで、後に3.11を首謀することになる。
イラクでは政権交代を仕掛けた。独裁者は去ったが、権力の空白から内乱に陥っている。今では、奴隷市場が生まれている。
実は、アメリカは同様のことを冷戦下で何度も起こしてきたのだが、失敗したら手を引くだけで、リスクを取ってないから、真の意味で学ばなかったのだ。ベトナムでは例外的に自らが巻き込まれ、大変な痛手を負ったので、それからしばらくは自重していた。ところが、3.11で本土が攻撃を受けて、アフガニスタン、ついでイラクへと侵攻した。
「干渉屋たちは、結果が不確実性に満ちている場合にはシステムに余計なちょっかいを出すべきでない、ということを理解してない」
*世界を正しく見通し、歩むためのカギは「身銭を切る」こと不確実性が増す今日、リスクと向き合い、価値ある生き方をするための指針。・身銭を切る実世界に対してリスクを背負い、良い結果と悪い結果のどちらに対しても、その報いを受ける。・実体験から得られる知識は、推論から得られる知識よりも優れている身銭を切ることは、この世界を理解する上で欠かせない条件である。・「助けるため」だと言って、他人の問題にちょっかいを出す「干渉屋」2003年のイラク侵攻や2011年のリビア最高指導者の排除を推し進めたが、失敗に終わり、問題をこじらせている。・干渉屋たちは、自分たちの行動が招いた結果に対する代償は支払わないつまり、失敗の被害を被っていない。だから、彼らは失敗から学ばない。・少数決原理複雑系の世界では、大きく身銭を切る、ごく少数派の集団が全体に影響を及ぼし、残りの人が彼らに従わなければならないことがある。
