2020年03月29日
「2万年前の石を無心に叩く男がいる」
「2万年前の石を無心に叩く男がいる」
静かな男声のナレーションをバックに、夜明けの山頂において舞い踊るようなしぐさで演奏するシルエットが映し出され、清澄な石の音が響き渡る。
という大手音響メーカーのCMが1986年に流れたらしい。サヌカイトの名は、これによってより全国に知れ渡った。それが、下の映像。場所は、香川県丸亀平野の北東部に位置し、西の土器川、東の大東川に挟まれた標高224.5mの青ノ野山山頂だ。
学生時代〜新入社員の時を通じて、TVを持ってなかったので、どうも記憶がない。そういえば、音響メーカーのCMを見なくなって久しい。
160:サヌカイトこれらのサヌカイトは宮脇聲子のご尊父、明治生まれの声明指導者でもあった故・長尾猛が私財をつぎ込んで買った住居の裏山から60余年にわたって採掘されたものである。長尾はその愛娘に聲子と命名されるほど、仏教音楽に用いる「聲石」の音色一筋に探求を続けれ来られ、その志を聲子がしっかりと今に受け継いでいるのである。162:夜明けのサヌカイト「2万年前の石を無心に叩く男がいる」サヌカイトの名は、大手音響メーカーのCMで流されたこの映像によって、より全国に知れ渡ることになった。1986年夏、香川県丸亀平野の北東部に位置し、西の土器川、東の大東川に挟まれた標高224.5mの青ノ野山山頂で、二回目のサヌカイト演奏を行った。169:讃岐のサヌカイトとその時代背景石器としてこの石が多く利用されたのは後期旧石器時代中頃の2万年前あたりからである。主要な産出地は香川県の中央部に位置する国分台と綾北平野を挟んで対する城山一帯の他、大阪と奈良の境にある二上山、広島と山口の境にある冠山、佐賀の多久、岐阜の下呂などがあげられる。なお香川県にかぎってみれば、国分台と城山はともにサヌカイトの原産地としてだけではなく、後期旧石器時代の遺跡としても重要視されており、ここからの原石を用いて作られた石器には様々な種類がある。172:サヌカイトの時代と環境瀬戸内海地方でこの国府型ナイフ形石器が最も普及していた時代はヴュルム氷期(7万年前〜16000年前)の最終段階で、海面が現在より50-150m低下していたと言われている。50mを最低の海退とした復元古地図を見ると、塩飽諸島はすべて陸続きとなり、断続した湖沼が確認される。この地図から分かるように、サヌカイト石器が大量に発見された現在の島々は当時、平原の湖沼近くに位置した丘陵で、その尾根は季節ごとに移動してくる動物の群れや水辺に集まる鳥類を一望できる格好の場所であったと想像されている。176:吉野川上流「土取遺跡」(父の郷里)土取遺跡から旧石器時代と弥生時代の石器が出土しており、それがなんとサヌカイトだった。179:あとがき旧石器時代は、500万年とも600万年ともいわれる人類史のおよそ1/3を占める長い時代で、遊動と狩猟採取という世界共通の文化基盤の上に成り立っている。そのため旧石器時代の一翼を担う音楽はかなり普遍的特徴を持つと考えられ、世界的視野に立ってこの研究が必要となっていくる。

