2020年02月20日
人類の「ワンマン・ショー」
第二章は「人新世」で、人とそれ以外の動植物の関係。「他の動物たちにしてみれば、人間はすでにとうの昔に神になっている」という。
その変化をもたらした第一段階は、農業革命。それまでの長い狩猟採集時代は、世界中どこもアニミズムで、自然の猛威を恐れ、自然の恵みに感謝し、したがって自然を崇拝して大事にしていた。自然を支配した第一歩が農業革命で、人類は食物を自分で栽培できるようになった。そして、家畜を飼い始める。
家畜は人間にとっての奴隷と同じで、飼い主のために労役を提供し、食物を提供する。それまで野生動物は敬われていたが、敬われているものを自由に使い、殺すわけにはいかない。動物の残酷な利用を正当化する宗教革命が起こる。「人間と神の対話」を中心とする一神教の誕生だ。
今日、世界の大型動物(体重数kg以上)の9割以上が、人間か家畜だという(下図)。野生動物は1割以下になっており、この世界は今や、人類の「ワンマン・ショー」だ。

93:他の動物たちにしてみれば、人間はすでにとうの昔に神になっているグリム兄弟や赤ずきんや大きくて悪いオオカミ縁の地であるドイツには、今日、何頭のオオカミが住んでいるのか?100頭に満たない。それに対して、ドイツには500万頭の飼い犬がいる。合計するとおよそ20万頭のオオカミが依然として地球上を歩き回っているが、飼い馴らされた犬の数は4億頭を上回る。世界には4万頭のライオンがいるのに対して、飼い猫は6億頭を数える。122:農業革命は経済革命であると同時に宗教革命でもあった。新しい種類の経済的関係が、動物の残酷な利用を正当化する新しい種類の宗教的信念とともに出現した。123:500年の孤独近代の科学と産業の台頭が、人間と動物の関係に次の革命をもたらした。農業革命の間に、人間は動植物を黙らせ、アニミズムの壮大なオペラを人間と神の対話劇に変えた。そして科学革命の間に、人類は神々まで黙らせた。この世界は今や、ワンマン・ショーになった。
