2019年11月27日
人口減少x高齢化x資本主義
イギリス出身、オックスフォード大学「日本学」専攻。1992年に来日してGSのパートナーまで勤めたが、2007年に退社。2009年に創立300年余りになる国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社を買収して社長に就任している。
日本の労働者の質は高いのに、生産性が低いのは彼にとっても長年の謎だったという。日本の労働者の質は世界No.4と評価されているのに対し、生産性はNo.28(World Economic Forum)なのだ。生産性が低いから、賃金も安い。
彼の研究によれば、日本の生産性が低い最大の原因は「規模の小さい企業が多すぎる」ことだという。日本では、従業員30人未満の零細企業で働いている労働者の比率が、全労働者の29.9%に登り、OECD諸国中最も多い国の一つになっている。零細企業の競争力は一般的に低く、労働生産性は低い。企業数が多すぎるため、競争は激しく、値上げの余地は少ない。結果として、給与水準も低い。
アメリカの人材評価はNo.24で決して高くない。しかし、生産性はNo.9だ。アメリカと言うと、シリコンバレーのベンチャー企業が活躍しているイメージだが、それはごく一部の話。従業員数が250人以上の企業で働くアメリカ人労働者の比率が49.8%なのに対して、日本では12.9%に過ぎない。
資本主義経済で自由な競争が行われれば、生産性の低い会社は淘汰され、寡占化が進んでいく。これが進み過ぎると、供給者の方が強くなるので、各国とも独占禁止法で過度の集中を禁止している。日本の場合は、中小企業保護が強すぎて、淘汰が進まず、多くの市場で供給過剰が続いている状態だ。政策転換が必要だ。
*人口減少・少子高齢化が進行する日本では今後、デフレが深刻化するおそれ日本が取るべき経済政策。●世界的に人類の高齢化日本の場合高齢化に加えて、他の先進国にはない、人口の急減少という問題を同時に抱えている。どちらも強烈なデフレ要因であるため、経済政策を大きく変えない限り、今後より深刻なデフレに。●GDP=人口x生産性日本が今のGDPを維持するには生産性を上げる必要。●Low road capitalism => High road capitalism低付加価値・低所得資本主義→高付加価値・高所得資本主義価格の競争→価値の競争●High road capitalismへの転換策・輸出の拡大:日本の人口一人当たりの輸出額(対GDP比)は世界第117位。輸出の潜在能力を十分に発揮すべき。・企業規模の拡大:日本は規模の小さい企業が多すぎる。これが、日本の生産性の低さの最大原因。・最低賃金引上げ:最低賃金と生産性には相関関係。人材コストが高くなれば、企業の利益が圧迫され、経営者は生産性を向上させようとする。
