2019年11月22日

史上最高の交渉者

キッシンジャー超交渉術
ジェームズ・K・セベニウス、R・ニコラス・バーンズ、ロバート・H・ムヌーキン
日経BP
2019-01-11


1974年に行われた世論調査で、アメリカ人の88%が「非常に優れた交渉者」だとし、また、2014年に国際関係学を教えている1375大学の1615人の学者へのアンケート調査で、「過去50年間で最も有能な国務長官」と見なされたのがヘンリー・キッシンジャー。

そのキッシンジャーの交渉術をハーバード大学の学者たちが分析した書。セベニウスはビジネススクール教授で、バーンズはケネディスクール教授。そして、ヌムーキンはロースクールの教授と、ハーバードが誇る各大学院教授の共同研究というのが面白い。

キッシンジャーが演出したサプライズで、最も有名なのは「ニクソンショック」。1949年に中華人民共和国が建国されて以来、20年間にわたり、アメリカは中国を認めてこなかった。キッシンジャーは1971年に密かに中国の指導者、毛沢東、周恩来との交渉を始めた。ソ連と中国が長い国境を巡って対立するようになっていた機会をとらえた。こうして、翌1972年にニクソン大統領の電撃訪問が実現する。日本は最後まで蚊帳の外だった。

*ヘンリー・キッシンジャー
アメリカの国務長官として多くの重大な交渉に携わり、優れた手腕を発揮。

・ユダヤ系ドイツ人
1923年ドイツ生まれ。1938年アメリカに移住。1943年帰化。
ハーバード大学・大学院修了→同大学教授
1969年ニクソン政権国家安全保障問題担当大統領補佐官
1973年国務長官

・ズームアウトとズームインを繰り返す
自らの戦略の確認(ズームアウト)と、面前の相手の観察(ズームイン)を繰り返しながら、目指す方向に向けて交渉を進める。

・基本的前提を何度も見直す
交渉のテーマなどについての基本的前提が正しいかどうか、何度も検討、確認する。

・交渉のテーマに精通する
交渉の分野について十分な知識を持つ。または、その分野に精通した人をチームに加える。

・長期的な視点に立つ
将来に多大な利益をもたらす合意を達成するために、長期的な視野に立って戦略を考える。

・広角的な見方を取り入れる
交渉相手だけでなく、広く他の関係者や問題を見渡し、取り組むべき相手や問題を見極める。

・現実主義になる
合意を得るために最低限必要な条件が整っているかどうか、慎重に評価する。

・交渉の要素を不変と見なさない
交渉の状況を有利に変えるために、関係者や要素を加えたり除外したりする。

・戦略的に考え、臨機応変に対応する
交渉の状況に変化が生じた時は、戦略を見直し、臨機応変に行動する。

・表現力を磨く
言葉を巧みに組み立てたり、あえて曖昧にしたりするなど、状況に応じて表現方法を変える。


shikoku88 at 20:59コメント(0) |  | 政治 

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