2019年11月20日
IT立国エストニア
SB孫社長の弟、孫泰蔵さん監修、HBR編集部の小島健志著によるエストニア取材記。「人口130万人の小国が、いかにしてIT先進国になったのか」。
1991年に旧ソ連から独立したとき、エストニアは混乱の極みにあった。1918年に建国されたエストニアは、その大半が占領の歴史だ。旧ソ連向けの輸出がなくなったことで、GDPは2/3規模になり、企業倒産が相次いだ。
この時首相になったのが、32歳のマルト・ラールで、市場開放と西側諸国の一員になることを目指した。まもなく、普及し始めたインターネットに目を付けることになる。エストニア人はもともと数学の教育水準が高く、旧ソ連時代は、エストニアに暗号技術の軍事研究所が置かれていたそうだ。
IT戦略が功を奏し、2004年にEU加盟。一人当たりGDPは、1993年の$5573(約60万円)から、2016年には$2941(約330万円)へと、5倍以上になったという。もはや日本とあまり変わらない水準だ(400万円)。
衝撃的なのが、「税収に占める行政コストの割合」。エストニア 0.4%(OECD52か国中3位)に対して、日本は1.74%(同52位)。要するに、日本はOECD諸国中最も効率が悪い。マイナンバー導入一つに何十年も掛かるのだから、当然なのだが、これは長年導入に反対してきた野党と、それを支持してきた国民の責任。税収は60兆円あるわけだから、行政コストがエストニア並みに下がれば、60兆円x1.34%=1兆円近く実際に使える税金が増える。
・1991年に旧ソ連から独立〜IT戦略による新しい国造り様々な行政サービスをオンライン化することで「電子政府」を実現。・電子署名紙の契約書がなくなった。・出生届や死亡届など行政手続きの99%が24時間365日オンラインで行える「結婚」「離婚」「不動産売却」だけはオンラインでできない〜早まってはいけない。・電子身分証明書の普及で、確定申告や税徴収が効率的に税収に占める行政コストの割合エストニア 0.4%(OECD52か国中3位)日本 1.74%(同52位)・プライバシー保護個人情報がいつ誰に利用されたのか、国民が自ら専用サイトでログを確認できる。職務上知り得た他人のデータを不正利用した人には厳罰。・セキュリティ対策ブロックチェーン技術で、データ改ざんをリアルタイムで検知。・外国人用「仮想住民」e-residency電子政府の体験、電子署名のしよう、オンラインによる法人設立の3つのメリット。・オンラインプラットフォームの開放国境を越えて活躍するIT人材「デジタルノマド」を取り込み、国の活性化。

