2019年08月31日
20世紀アメリカ「管理革命」
最終章のテーマは「価値革命」。それまでの会計が主に「過去」を扱うのに対し、20世紀アメリカで起こった革命は、将来利益予想に基づいた「企業価値」だった。
レノン=マッカートニーの著作権が例に挙げれらる。ビートルズがアメリカデビューする少し前、マネージャーのエプスタインから呼ばれたジョンとポールは「楽曲の権利を会社に譲渡する」契約書にサインする。それからの成功を考えれば信じられないことだが、すでにイギリスで有名になり、デビューを取り仕切ったエプスタインへの感謝と、これで「もう十分」という考えもあったのだろう。
著作権を譲り受けた会社Northern Songsは1965年に株式公開。誰でも株式を購入できるようになった。ポールはずっと権利を買い戻したかったようだが、爆発的に売れていた間は売手は強気だ。やっとチャンスが巡ってきたのは1981年、解散から10年以上経ってからだ。提示された値段は2000万ポンド(当時のレートで90億円)。
ポールは前年に亡くなったジョンの代理人オノ・ヨーコに連絡を取るが、ヨーコが半額の支払に難色をしめす。「2000万ポンドは高いから、500万ポンドに値切ってくれ」というのだ。これを聞いたマイケル・ジャクソンが5300万ドル(130億円当時)で購入。ポールは千載一遇のチャンスを逃した。
ヨーコからすれば、「自分の曲を買うのにどうしてそんなに払わなくてはならないのか」という過去に囚われた発想。ジャクソンは、「ビートルズの曲がこれからどれだけ稼ぐか」という将来を見据えての判断だった。
369:ポールとジョンから著作権を譲り受けた会社Northern Songsは1965年に株式公開。誰でも株式を購入できるようになった。1981年ポールは2000万ポンド(当時のレートで90億円)で権利を買い戻すチャンスを得る。前年に亡くなったジョンの代理人オノ・ヨーコに連絡を取るが、ヨーコが半額の支払に難色(500万ポンドに値切ってくれ)。マイケル・ジャクソンが5300万ドル(130億円当時)で購入。385:ドイツからやってきた牛追いの息子ヘンリーは同じユダヤ系でリーマンブラザーズのひとり、フィリップ・リーマンと毎日同じレストランでランチを食べながら、ひそひそと金儲けの作戦を練る。まもなく彼らは共同でシアーズ・ローバックをはじめ、数々の株式公開を企画立案し、成功させていく。ゴールドマン・サックスはその後も、あのフォードの株式公開などのビッグ・ディールを成功させるなど、ウォール街でも有名な存在になっていく。399:会計士志望から不良ロッカーにされたミック・ジャガー少し遅れてロンドンでデビューしたローリング・ストーンズは、本来優等生だったメンバーが、ビートルズとかぶるのを避けるため「不良イメージ」で売り出させる。もともとキース・リチャーズは聖歌隊のボーイ・ソプラノであり、ミック・ジャガーは会計・ファイナンスを学ぶ会計士志望の学生だった。彼らはあくまでマーケティングの観点から、ビートルズの対極イメージで売り出された。

