2019年08月18日
竹槍事件
現在浪人中の末っ子。彼女が今春卒業したのが都立隅田川高校。こちらの有名卒業生の一人が宮部みゆきらしく、在学中に本書を持ち帰った。いや、持ち帰ったのはPTA活動をしていた妻だったか。
とにかく、それから1年以上経ったのをお盆休みに読んだ。1996年の日本SF大賞受賞作ということ。「平凡な現代青年が1994年の冬の東京から1936年の同日同刻同地点へと緊急避難する。そこは二・二六事件の現場である」という時間旅行の物語(解説)。
ネタばれになるので詳しくは読んでいただきたいのだが(さすがSF大賞受賞作でなかなか面白い)、最後の方に登場するのが実際にあった「竹槍事件」。
毎日新聞は昭和19年2月の東條英機内閣の『非常時宣言』を報道した際、海軍担当の新名丈夫?記者が「竹槍では間に合わぬ、飛行機だ。海洋航空機だ」との論説を記載。反戦思想だと激怒した陸軍は37歳の新名記者を2等兵懲罰徴収を行った。海軍は露骨な懲罰徴収を批判したところ、陸軍は高齢の兵役免除者250名の徴収を実施し批判をかわした。新名二等兵は陸軍内の事情で除隊となるが、再徴収を恐れた海軍は、新名を海軍報道班員として従軍させた。(hatena)
この新名記者とそのとばっちりをくらった本来兵役免除の250名が入隊したのが丸亀連隊。新名自身は日中戦争時に陸軍の従軍記者であった経歴と海軍の庇護(新名は海軍省記者クラブの主任記者)を受け連隊内で特別待遇を受けたうえ、3ヵ月で招集解除となった。
しかし、一緒に入隊した老兵250名はその後硫黄島に送られ、全員が玉砕した。たまたま新名記者が同郷であったためにだ。ひどい話である。
