2019年06月01日
CAC40の営業年数は平均101年!
第5部は「産業の課題」。「境界線効果」は日本の「扶養控除」を連想させる。
本書に挙げられるフランスの例では、「従業員が49人から50人に増えた瞬間に、34の義務が一気に加わる」ため、多くの企業が恣意的にそれ以上の規模にしない。そのため、周辺国や諸外国に比べて中堅企業の数が極端に少なく、中堅企業を経て大企業へと発展する企業も少なくなるため、フランスを代表する大企業CAC40構成銘柄40社の営業年数は平均101年にもなるという

日本でも「老舗」として社歴が長いことを尊ぶ風潮があるが、企業は社歴で評価されるべきでないことは言うまでもない。社歴が長いことは、時代に合わせて変化してきたことの証左ではあるが、同時に、多くの長寿企業は規模を拡大させないことで同族支配を続けて来たにすぎない。
社会における企業の役割という点から見れば、規模を拡大することで、消費者のニーズに応え、雇用を拡大し、納税義務を果たすことだ。それができない会社は、むしろ市場から退出し、それが可能な新興企業に経営資源を譲るほうが望ましい。
アメリカのFortune 500構成銘柄では平均営業年数は15年だそうだ。日経225構成銘柄ではどうなのか?簡単に調べただけでは出てこなかったが、15年より大幅に長く101年より短いのは間違いない。
404:無分別な選択経済学者が産業政策に否定的な第一の理由は、「勝ち馬を当てる」ことがむずかしいから。なぜむずかしいかと言えば、政治家も有権者も、将来に富をもたらす技術、産業、企業がどれなのかについて、情報を持ち合わせていないから。406:ハイテク分野で成功しているクラスターの大半は自然発生MITの近隣に出現したKendall Square〜バイオテクノロジーの聖地411:フランスのCAC40構成銘柄40社の営業年数は平均101年Fortune 500構成銘柄 15年20世紀後半に世界のスター企業となったヨーロッパ企業はVodafoneとSAPの2社だけ414:境界線効果フランス企業は従業員が10人、20人、50人の境界線を越えるごとにいろいろな制約が課され費用負担が大きくなる→50人以上の企業が途端に減る会計報告に関する業務が増え、社会保険料の料率は上がり、通勤費は会社が負担しなければならず、従業員が50人を越えればあれこれの委員会を設置しなければならない。経済的理由による解雇も難しくなる。従業員が49人から50人に増えた瞬間に、34の義務が一気に加わる。453:医療保険制度保険を論じる時に必ず出て来るのが、モラルハザードと逆選択という問題。455:フランス国民皆保険ドイツ、スイス、オランダでは民間保険だが、リスク選択は法律で禁じられている。459:フランスのタクシーべらぼうに高いため、利用するのは富裕層か、誰かが料金を負担してくれる人に限られる。464:時代遅れの労働法フランスの労働法は、工場労働者を想定して設計されている。したがって、有期雇用契約(CDD)のことはほとんど考慮されていない。まして、在宅勤務者、個人事業主、フリーランスは言うまでもない。473:Double Irish/Dutch Sandwichアイルランド支社を設立し、海外事業のライセンスを与える(この会社は実体がないためアイルランドでの法人税免除、登記はバミューダ諸島で完全無税)。次にアイルランド支社が子会社を設立し、こちらにサブライセンスを付与して海外事業収入の大半を計上。子会社からライセンス収入をオランダ支社に送金し(アイルランド〜オランダ間の移転は非課税)、さらにもとのアイルランド支社に送金する。アメリカ企業の利益は本国送金した時にしか課税されないため、バミューダに留め置かれている利益は課税対象にならない。477:知的財産権制度古代ギリシャに早くも最初の特許。その後、15世紀のフィレンツェやヴェニスで特許制度は大きく発展。
