2019年05月28日

社会と経済学

良き社会のための経済学
ジャン・ティロール
日本経済新聞出版社
2018-08-25



「2001年9月11日以降、アメリカでは20万人が殺人事件の犠牲者となっているが、イスラム系テロリストに殺されたのは50人にすぎない」

この事実から導き出される結論は、合理的なら、国内の犯罪防止に限られた予算を使うべきというもの。だが、実際は、アメリカは「イスラム系テロリストを撲滅する」という理由で、戦争を起こして同盟国にも参加させ、資金を供出させた。

その結果防げたテロがあったのかは不明で、逆に、一方的な攻撃に対する反発で、テロを増やした可能性さえある。

34:人間は信じたいものを信じ、見たいものを見る
私たちは、認知バイアスに振り回されるだけでなく、自らバイアスに染まろうとする。自分の思い込みのプリズムを通してものごとを解釈し、新聞を読むときにも自分の意見と同じ意見の人を探す。

37:第一印象とヒューリスティックス
2001年9月11日以降、アメリカでは20万人が殺人事件の犠牲者となっているが、イスラム系テロリストに殺されたのは50人にすぎない。しかしこの事実をもってしても、人々の記憶に深く刻み込まれたテロの印象を変えることはできない。

69:ダロン・アセモグル(MIT教授)
経済学という学問がもたらした意味深い重要な知見の一つは、強欲やそれ自体としては良くもなければ悪くもないということである。適切な法規制の下で、利潤最大化をめざす競争や創造的活動と結びつくなら、強欲はイノベーションと経済成長の原動力となるだろう。だが、しかるべき制度や法規制の監視がないなら、強欲はレント・シーキングや不正や犯罪行為へと堕落する。

76:「貧しい人々は怠け者で意思が弱いから貧しいのだと思うか」
アメリカ人 YES60%
ヨーロッパ人 26%

「貧困層は貧困の罠から未来永劫抜け出せない」
アメリカ人 YES29%
ヨーロッパ人 60%


shikoku88 at 22:27コメント(0) | 経済 

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