2019年04月25日

ジェノサイド




次いで、「ジェノサイド」という言葉を生み出したレムキン。二人は同じ大学で同じ指導教官のもとで博士号を取得するのだが、年齢が違うので、重なってはいない。

レムキンは、「ナチスの占領政策の本質」を探るうちに、これまでの戦争における「残虐行為」では済まない「意図」に気づく。通常の戦争では、軍隊同士の戦いで、一般市民が巻き込まれるとはいえ、それを目的としてはいなかった。ところが、ドイツが起こした戦争は最初から特定の集団の全市民を相手に開始されたのだ。

これを一言で伝えるため、ジェノサイドという造語が作り出される。

224:二人はルヴフ大学法学部の同じ教授のもとで学んでいた
1926年レムキン法学博士号 指導教員ユリウシュ・マカレヴィッツ教授

253:ドイツの占領政策の本質は何なのか
具体的にはどのようにしてナチス流の規則が強要されているのか?答えは制定されるさまざまな命令や布告にあると信じた彼は、好事家が切手蒐集にのめりこむような熱心さで、ナチスが出した命令や布告を片端から集めはじめた。法律家だった彼は、えてして公式文書というものが、そこには明示されていない隠された目的を反映していることが多いのと、一枚の文章よりも全部寄せ集めてみて初めて露見するものがある、という点を知っていた。

257:日本経由で米国へ亡命
列車はウラジオストック、「なんら美的感興のない」町へ入ってゆく。レムキンは醜悪なホテルで一夜を過ごしたあと、海の向こう千キロ先にある日本列島西海岸の港、敦賀行きの船に乗った。

263:ドイツが起こした戦争は、国際法に違反して「一般の人々を相手に」開始された(レムキン)
ドイツが望んでいるのは「千年帝国を目指してヨーロッパ全体の人口構成を変える」ことであり、そのために「特定国と特定人種」を消滅させようとしている。

272:レムキン『枢軸国の支配(Axis Rule)』1943
「残虐行為」と「破壊行為」という言葉を捨てて新しい言葉を作った。ギリシャ語のgenos(部族ないし人種)とラテン語のcide(殺人)の合成語。

273:同書第二部
占領された17の国、A(アルバニア)から始まってY(ユーゴスラヴィア)までの各国内で実行された諸施策を検討。それぞれの地域においてユダヤ人、ポーランド人、ジプシーなどのグループが迫害されてゆく諸段階が詳細に語られる。(中略)その国が占領されると、対象集団は明確な地位を与えられる。たとえばユダヤ人の場合なら、ダビデの星がついた「少なくとも10cm以上の幅の」腕章をつけなければならない。次に行動制限がきて、その次に資産の差し押さえ、さらに移動の自由と公共交通機関利用の禁止がくる。ゲットーが設置されそこに対象集団が閉じこめられ、逃亡の代償は死刑であるとおどされる。その次が、占領地域から中央の指定地域への搬送。

284:ジェノサイド
特定の人種や階層に属する人々、および国民、人種、宗教集団、とりわけユダヤ人、ポーランド人、ジプシーその他を絶滅させる目的をもって、占領地域の民間住民に対しておこなわれた、人種・国民集団の殲滅。



shikoku88 at 18:29│Comments(0) | 史跡・公園

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