2019年04月20日

専門経営者の育成



結局、専門経営者が創業経営者に勝つのは難しいというのが結論。そこで、米国のように、創業が盛んで(それもオープン経営志向のベンチャー企業が)経済の新陳代謝が盛んなところは成長率が高い。

一方、創業経営者もいつかは退任し、専門経営者に任せる時期がやってくる。実は、米国では企業の発展段階に応じた専門経営者のプールがあるので、交代の時期は早い。日本企業は戦後創業した創業経営者がいた1980年代まではよかったが、彼らが引退した後の専門経営者がダメだったという。

ここで筆者が持ち出すのが米国のビジネススクール。MBAが専門経営者育成の仕組みとしてよくできているという。

「ビジネススクールでは、教室で知性をテストし、入学審査で感性をチェックし、自己選択で野性を試す。MBAを取得するには、不確実なリターンに対して2000万円以上を事前に投資することになる。自分は経営職に不適格で、リターンが低いと思う人は、そもそも学位を取りに来ない」

ビジネススクールの授業料は約1000万円。これに、2年の機会費用(働けないことによる収入減)1000万円を加えて2000万円だ。

訓戒
・実質ベースの利益成長を40年に渡って維持することは難しい
年率5%の利益成長を実現できたのは69/1013社だけ。
・利益成長基調が続きにくいのは事業立地に寿命があるからである
利益成長トレンドは事業立地が左右する。
・企業が立地の寿命を超えて生き延びるには転地を遂げるしかない
立地の沈下が始まってからでは遅い。
・転地を含めて事業立地を定める営為こそが経営戦略の真髄である
戦略は競合より立地。
・企業の命運は戦略の出来る経営者に恵まれるか否かで決まる
見える競合との闘いはラインに任せておけばよい。
・日本企業の停滞は創業経営者の引退とともに始まった
残された人たちは、創業経営者が創り上げた事業デザインを守ることは出来ても、事業環境が変化した時に事業デザインの修正や事業立地の変更に乗り出すことができない。
・優れた経営者も後継指名には失敗することが意外と多い
自分が創り上げた作品の寿命を過大評価し、自分とは似ても似つかない管理者タイプを後継者として選んでしまう。
・日本の課題は世襲より専門経営者による企業支配にある
期待任期が5年前後の専門経営者は、本質的な課題を先送りにする。

指針
・経営職適格人材は採用しなければ手に入らない
経営者の卵は、新卒者とは別の枠組みで、経営者自らが目利きをして選ぶ。役員面接に直結するMBA採用枠。
・経営職適格人材を見極めるタイミングは30代の前半にある
ビジネススクールでは、教室で知性をテストし、入学審査で感性をチェックし、自己選択で野性を試す。MBAを取得するには、不確実なリターンに対して2000万円以上を事前に投資することになる。自分は経営職に不適格で、リターンが低いと思う人は、そもそも学位を取りに来ない。
・経営職適格人材は(管理の)仕事で磨かれない
経営職適格人材には小さくても一つの事業を自立して営む場を与える。
・経営者の使命方式には制度改革の余地がある
指名委員会をさらに中立化した機関において、合議を経て後任経営者の人選をする。
・今の日本はSOやガバナンスの時代ではない
米国のガバナンスは専門経営者を牽制するもの。日本は、牽制に困るほど力のある専門経営者が出てこないのが問題。足りないのは、経営者としての能力。社外取締役やSOに回す予算があれば、経営者適格人材の採用と育成に投資すべき。


shikoku88 at 20:54│Comments(0) | 仕事

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