2019年04月11日

世界を縮めた物質「ゴム」



世界で最も盛んなスポーツといえば、サッカーであり、テニスであり、野球。どれも球技であることが共通点だ。これほど球技が盛んになった理由は、19世紀後半の「良質なゴムの普及」にあるという。

熱帯産のゴムがヨーロッパにもたらされたのは、新大陸発見後まもなく。しかし、天然ゴムは「冬には固くなり、夏には溶けてベタベタになる厄介な代物」で、実用にはならなかった。イギリスの自然哲学者ジョゼフ・プリーストリー(1733-1804)が、消しゴムの用途を発見したのはそれから300年もあとだ。この時、彼によって、ゴムは英語でrubber(こするもの)と名付けられる。

ブレークスルーをもたらしたのは、加硫法の発見。発明したのは、アメリカ人発明家チャールズ・グッドイヤー。彼はゴムが溶解するのは湿気のせいと考え、乾燥した粉末を混ぜることを思いついた。

開発は困難を極め、出資者が手を引いたため貧困に苦しんだという。借金のために何度も投獄され、貧困で子供も失った。実験開始から5年目の1839年に、ついにゴムに硫黄を加えて加熱する「加硫法」を発見する。さっそく特許を取得して、1842年にゴム工場を立ち上げる。だが、このゴム工場は失敗。彼は失意のうちにこの世を去る。

努力がいつも報われるわけではない。その後、アイルランドで空気入りタイヤを発明したダンロップが事業にも成功したのと好対照。何が分かれ目だったのか。発明と経営は違う。

126:球技が生まれた時代
19世紀後半に生まれているものが多い。それぞれの原型となる競技はずっと前からあったが、この時期にルールが整備され、組織化されて盛んになった。←良質のゴムの普及!

132:コロンブスの艦隊
第2回航海(1493-96)で、イスパニョーラ島を訪れた際、ゴムボールによる球技に興じる住民を目撃。後の航海者が何度かゴムをヨーロッパに持ち帰るが、冬には固くなり、夏には溶けてベタベタになる厄介な代物。

134:加硫法の発見
Charles Goodyear(1800-1860)
1839年ゴムに硫黄を加えて加熱することで、耐熱性を持たせられることを発見。
1842年にゴム工場を立ち上げるも、事業家としては失敗。
現在のGoodyear社は1898年に設立され、社名は発明家にちなんでいるものの、資本関係はない。

138:ゴムが生んだ交通革命
スコットランド生まれの獣医John B. Dunlop(1840-1921)
空気入りタイヤの発明→特許→1889ダブリンで会社設立
*実は、ダンロップは空気入りタイヤの第一発明者ではない。1845年にスコットランド人Robert William Thomson(1822-1873)が発明。しかし、まだ自動車どころか自転車も発明されておらず、用途が見つからずに事業化できず。


shikoku88 at 18:22コメント(0) | 仕事 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
Archives
Recent Comments
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Thank you for visiting!

  • ライブドアブログ