2019年04月03日
1万年を生きた材料「陶磁器」
確かに、これほど長くメインで使われている容器は他にないだろう。カップヌードルは発泡スチロールの容器に入れたのが画期的だったが、それでも、未だに家庭やレストランで食べる食器の主流は陶器だ。陶器は1万年に渡って使われ続けているという。
欠点は、生産するのに高温で焼くため、大量のエネルギーを使うこと。昔は、薪を燃やすしかなかったため、万里の長城建設でレンガを大量に焼いた中国では、「古代には50%を超えていたとみられる黄土高原の森林率は、今や5%に落ち込んでおり、一帯は乾燥地帯と化した」。この砂漠化は、春に飛来する黄砂の原因となっており、近年では、これに大気汚染の化学物質が混じってPM2.5として日本にまで飛来している。
34:容器と人類プラスチックやアルミニウムなどの優れた新材料が豊富に手に入る現在でも、焼き物という材料はなおバリバリの現役だ。現在我々が日常的に使っている茶碗や土鍋は、各地の遺跡から出土する土器と、形状や材質など基本的に変わっていない。36:焼き物が硬いわけ粘土を焼くことで、強度や耐水性が高まるのはなぜか?高熱によって化学反応がおこって原子同士がつながり合い、新しいネットワークができるため。38:製陶と環境破壊中国でも、万里の長城建設のために大量のレンガが必要となり、森林が伐採された。特に明の永楽帝は、遊牧民族の拠点に近い北京に首都を移したために長城の大幅強化を迫られ、この時に多くの森林が失われている。古代には50%を超えていたとみられる黄土高原の森林率は、今や5%に落ち込んでおり、一帯は乾燥地帯と化した。この砂漠化は、春に飛来する黄砂の原因。41:白磁の誕生原料と焼成温度が異なる。石英や長石、カオリナイトなどの岩石を粉末にひき、水で練って成形した後、何度かに分けて焼く。最後に1300度程度の高温で焼くことで、表面の釉薬が溶融・浸透し、滑らかで艶やかな仕上がりとなる。42:海を渡った白磁肥前有田では磁器に適した陶石が発見され、現在の佐賀県南部は一挙に日本の陶磁器生産の中心地にのし上がった。中でも酒井田柿右衛門は、赤色に発色する釉薬を用いた「赤絵」と呼ばれるスタイルを確立し、現代の15代目に至るまでその技術は受け継がれている。

