2018年12月31日
事実誤認に基づく「私的外交」非難
鈴木宗男議員と佐藤優が逮捕された結果、二人が進めようとしていた「日露平和条約締結と二島の先行返還」というプランは葬り去られた。日本の立場は、四島返還だが、それではロシア国内をまとめられない。そこで、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島に対する日本の主権を確認した上で二島の先行返還を目指した。
これは、当時の橋本→小渕→森内閣の方針であり、外務省事務次官の認可を受けて動いていたにも関わらず、マスコミは二人を悪者にした報道を垂れ流し、外務省は二人は「私的外交」を展開したとして切り捨てる。鈴木宗男氏が、当時の外務省幹部の反対を押し切り、杉原千畝の名誉回復をしたことの意趣返しではないかとの説もある。
現在、再び盛り上がってきている日露平和条約に対する期待。その枠組みは、20年前に歴代内閣の下で、鈴木宗男議員と佐藤優氏が行おうとしてきたことそのまま。小泉政権で田中眞紀子が外相になったことで、「失われた20年」になってしまった。
第5章 「時代のけじめ」としての「国策捜査」365:鈴木宗男氏が、当時の外務省幹部の反対を押し切り、杉原夫人を外務省飯倉公館に招き、謝罪この話は、イスラエルやユダヤ人団体ではよく知られている。内閣官房副長官時代の鈴木が小渕総理訪米に同行したとき、シカゴの商工会議所会頭が「杉原ビザ」の写しを示し、「私はこのビザで救われました。あなたがその杉原さんの名誉回復をしてくれたのですね」と話しかけてきた。367:西村検事「実のところ、僕たちは適用基準を決められない。時々の一般国民の基準で適用基準は決めなくてはならない。僕たちは、法律専門家であっても、感覚は一般国民の正義と同じで、その基準で対処しなくてはならない」370:特捜に逮捕されれば、起訴、有罪もパッケージ「万一無罪になっても、こっちは組織の面子を賭けて上にあげる。十年裁判になる。最終的に無罪になっても、被告人が失うものが大きすぎる。国策捜査で捕まる人は頭がいいから、みんなそれを読みとって、呑み込んでしまうんだ」372:時代のけじめ「うちが大蔵をあげる事件をしなければ、金融と財政の分離もなければ、大蔵省の財務省への再編もなかった」374:鈴木宗男氏は「政治権力をカネに替える腐敗政治家」として断罪されたこれは、ケインズ型の公平分配の論理からハイエク型の傾斜分配の論理への転換を実現する上で極めて好都合な「物語」。鈴木氏の機能は、構造的に経済的に弱い地域の声を汲み上げ、それを政治に反映させ、公平分配を担保することだった。378:事実誤認に基づく「私的外交」非難鈴木氏、東郷氏、私の考え方は、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島に対する日本の主権を確認した上で平和条約を締結するという基本路線から外れたことは一度もない。ただ、ロシアと現実的に噛み合う交渉について種々の工夫をしたに過ぎない。この工夫なくして外交は成り立たない。第6章 獄中から保釈、そして裁判闘争へ496:真の勝利者は、竹内行夫外務事務次官をはじめとする現外務省執行部外務官僚は、外交政策の遂行に資するためだけでなく、外務官僚にとって都合のよい状況を作り出すために鈴木宗男氏の政治力を最大限に活用した。しかし、ひとたび鈴木氏が外務省にとって厄介な存在になると、それをありとあらゆる方法を用いて排除した。テルアビブ国際会議への学者などの派遣について、外務省事務方のナンバー・ワン、ナンバー・ツーである事務次官、外務審議官の決済サインのある決裁書が外務省から消え去ってしまう。

