2018年08月24日

2025年問題の衝撃

社会保障クライシス
山田 謙次
東洋経済新報社
2017-09-29


「2025年問題」とは、2025年に団塊の世代全てが後期高齢者(75歳以上)になることによって予想されている社会保障の危機のこと。団塊の世代は2200万人もおり、日本人口の1/6以上を占める。これだけの人口が一斉に後期高齢者になることのインパクトは大きい。

医療介護費用は112兆円(2014)から149兆円(2025)に増加することと予測されている。前期高齢者(65-74歳)では介護を必要とする人の割合は5%に満たないが、後期高齢者は30%以上に上る。

ところが、今後の社会保障費の増加を支えるはずの中核世代は「就職氷河期世代」(1971-1982生まれ)で、ワーキングプアも多い。親の世代を支えるどころか、自分たちの生活で精一杯な人がたくさんいる。

現在の日本の財政歳入の1/3は国債発行に頼っており、その発行額(2017年度で34兆円)は、一般会計の社会保障費32.5兆円とほぼ同額である。こんな国は世界中どこにもない。通常は、これほどの国債発行する前に金利が上昇し、発行を続けられないからだ。ところが、これまで、日本では高齢者が大量に貯蓄していることを原資に、金融機関が国債を購入しているため、金利は落ち着いている。しかし今後、高齢者が貯蓄を取り崩していくと、これまで通り国債を発行できなくなる。

日本はもともと社会保障水準がヨーロッパ並みに高い一方、税負担率は低い。高齢者が少なく、労働人口の多かった高度成長時代に野放図に社会保障を拡大させてしまった。一旦拡大した社会保障は既得権となり、水準を下げるのは政治的に容易ではない。本来なら、負担を増やさなければならないが、これも世界にもまれな高貯蓄で国債消化ができたことで、後送りを続けている。

国債発行残高は1000兆円を超えており、この規模のバブル崩壊を世界は経験したことがない。


shikoku88 at 18:01│Comments(0) | 経済

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