2018年07月11日
戦略転換点
丁度30年前、VC新入社員の2年目、私はインテルの日本法人に訪問していた。当時の東京事務所(管理部門)は「丸ノ内ビルヂング」にあった。今の「丸の内ビルディング」に建て替わる前の、大正時代に建てられた9階建てのビルである。
そこで会っていたのはインド人の財務部長。インド人と話したのはあれが初めてだった。愛想が丸でなく、「どうして、子会社を上場させることが株主の利益になるのだ?」とファイナンス理論で押してくる。当時の私には反論できる理論も英語力も足らず、タジタジとなった。なるほど、これだけ仏頂面だから、何が起こっても驚きそうにない→だから「インド人もびっくり」なのかと妙に納得。
財務部長がダメでも、「トップに会え」がVCの掟。しかし、日本法人社長はつくば本社にいたり、アメリカの親会社に行っていたり、そもそも財務部長が突破できてないから、アポが取れない。
そうこうするうち、本社からグローブ新社長と、ムーア会長が社長交代の挨拶で来日することになる。「こうなったら、本社社長に直訴しよう」と就任パーティに押しかけた。名刺交換し、「日本法人を上場させましょう。すごい株価が付きますよ!」と訴えたのだが、「財務部長に話しておいてよ」で終わり

話は進まなかったが、二人の名刺は今でも取ってある。あの時、Intelの株を買っていれば
戦略転換点を見誤った。

*戦略転換点「企業の生涯において根本的な変化が起こるタイミング」この転換点を境にして、業界構造が大きく変わる。*10Xの変化競合企業、供給企業、顧客など、ビジネスに影響を与える要素のうち、どれか一つが大きく変化すること。戦略転換点は、この変化によって生じる。*コンピュータ業界の場合、マイクロプロセッサーの登場が10Xの力となり、業界の構造が「縦割り型」から「横割り型」へと変化した。その結果、従来の業界構造で君臨していた企業は衰退し、代わって、新興企業が勢力を伸ばした。*戦略転換点の見極め・「主要なライバル企業」「自社にとって重要な補完企業」の入れ替わりがありそうか・変化を素早く察知する「カサンドラ」人材の声を聞く(営業の中間管理職に多い)・新技術などが登場した時は、「初期バージョンの罠」に注意し、その重要度を慎重に見極める・あらゆる関係者を集めてディベートする・常に「恐怖心」を持って事に当たる*戦略転換点を乗り越えるためにすべきこと・将来、どんな企業でありたいかを、明確にイメージする・経営資源を新しい方針に合わせて再配置する・リスクヘッジすることなく、一つの目標に全力を注ぐ*戦略転換点を迎えた時、多くの企業は衰退する。その最大の理由は、決断を躊躇して、じっと立ち尽くすこと。

