2018年02月13日
板子一枚下は地獄
日本にリース業を起こした実質創業者だし、商社出身だし、ワシントン大学MBAだし、「私の経営論」というからには大著かと思ったら、平易に書かれた読みやすい175pの新書版くらいの分量だった。
読んで感じたのは、リスクに敏感な経営をしていること。マージンの薄い金融業だから当たり前といえば当たり前なのだが、リース業から始まり多角化で、不動産や事業投資でも大手になったオリックスは新規事業に果敢なイメージがある。
実際、新規事業については本書でもかなりのページが割かれている。新規事業にはどんどん挑戦しながら、トップとして常に進捗を見守り、「いつストップをかけるか」を考えている。失敗しても、担当者を不遇にしない。周りはそれをよく見ているから、手を尽くして頑張った人が不遇になれば、次に挑戦する人はいなくなる。組織がリスクを取ら無くなれば、成長はなくなる。
*「経営学とは組織に対する一般理論」(ピーター・ドラッカー)・組織が持つ様々な目的に対して、最高に効率のいいやり方で、それを達成するための理論・経営学の一般理論に反したやり方ではとても非効率で、失敗するリスクも高くなる・経営に携わる立場でどれだけこの一般理論に肉薄して執行できるか51:「板子一枚下は地獄」・経営者は薄氷を踏む思いで、仕事に当たるべき99:新規事業は参入より撤退戦略を・ゴーサインを出すのは簡単・判断が難しいのは「いつストップをかけるか」・うまくいかないと見たら、会社が大きな傷を負う前にストップし、逆に、うまく軌道に乗りそうな新規事業にはしっかりとサポート体制を整える・こうした判断は、トップでなければできない・大切なのは、リスクを取って頑張るという姿勢を社内からなくさないこと118:コーポレートガバナンスでは、いかに権威と執行能力を備えたCEOを選び企業を統率させるかが最も重要な課題・CEOがうまくいってない時に、どのタイミングで、どう肩を叩くのか・日本の企業の多くは、経営不振の中で、CEOが必死になって頑張るものの、突破口が見いだせず、さらに悪化してしまう136:M&A・オリックスであまり大きな失敗がなかったのは、歴代のCEOが高値買いをしないケチだったから・財務面で慎重な姿勢を徹底している・「買ってからどうするのか」という具体的なプランを早く描く
