2017年12月27日
Whole Business Securitisation
先月行われたBlack Angels Partyでストームハーバー証券の那珂社長にお会いした。自信にあふれ、ただものではない雰囲気。本を読んで、納得。ソフトバンク(SB)が次のステージにいく乾坤一擲のM&A − 2006年のVodafone買収の資金調達を行った人だった。
この買収金額は1兆7500億円。日本企業によるM&Aとして史上最大規模であった。当時のSBの事業規模や財政状況から追加の借り入れは不可能。これだけの大量の新株発行は希薄化が大きすぎる。当時、日興シティグループ証券の債券本部長として那珂さんが提案したのがWhole Business Securitization(WBS)。携帯電話事業によって得られる将来の利益を証券化して資金を調達するスキームである。不動産の証券化や、サブプライムローン問題で有名になった住宅ローンの証券化商品などはすでに一般的だったが、事業が生み出す利益を証券化する手法としては、画期的だった。
どうして不動産やローンの証券化は一般的で、事業の証券化は一般的でないか(今も一般的ではない)。それは、不動産賃貸収益やローンの返済が比較的安定していると見なされるのに対し、事業収益は不安定だからだ。不安定な事業に投資するのは、そのリスクに見合ったリターンが約束されなければならず、そのためには株式で投資するのが普通だ。事業が失敗すればゼロになる可能性があるが、成功すれば何倍にもなる可能性もあるからだ。
これを、これから買う予定のVodafoneの携帯電話事業を証券化して資金調達を行うということは、日本におけるSBの携帯電話事業がほぼ確実に成功すると投資家が信じなければいけない。それはSBを率いる孫正義社長の経営手腕も含めてだ。しかも、必要額は1兆7500億円という途方もない金額だから、1000億円単位で買ってもらわなければさばき切れない。引受証券会社として、さばけなかったら数百億円規模の損害を被るリスクがある。
那珂さんの営業チームはこのWBS債権を売り切った。資金調達が成功した後、那珂さんは孫社長から夕食に招待されたという。そこで孫社長は、那珂さんに握手を求めながら、こういった。
「ありがとう!この1兆7500億円は、絶対に生きた金にするよ!携帯電話事業は、絶対に成功させる
」
どうして不動産やローンの証券化は一般的で、事業の証券化は一般的でないか(今も一般的ではない)。それは、不動産賃貸収益やローンの返済が比較的安定していると見なされるのに対し、事業収益は不安定だからだ。不安定な事業に投資するのは、そのリスクに見合ったリターンが約束されなければならず、そのためには株式で投資するのが普通だ。事業が失敗すればゼロになる可能性があるが、成功すれば何倍にもなる可能性もあるからだ。
これを、これから買う予定のVodafoneの携帯電話事業を証券化して資金調達を行うということは、日本におけるSBの携帯電話事業がほぼ確実に成功すると投資家が信じなければいけない。それはSBを率いる孫正義社長の経営手腕も含めてだ。しかも、必要額は1兆7500億円という途方もない金額だから、1000億円単位で買ってもらわなければさばき切れない。引受証券会社として、さばけなかったら数百億円規模の損害を被るリスクがある。
那珂さんの営業チームはこのWBS債権を売り切った。資金調達が成功した後、那珂さんは孫社長から夕食に招待されたという。そこで孫社長は、那珂さんに握手を求めながら、こういった。
「ありがとう!この1兆7500億円は、絶対に生きた金にするよ!携帯電話事業は、絶対に成功させる
」